アメイジング・ジャーニー 神の小屋より


 2019.3.15       宗教上の神は本作のような存在? 【アメイジング・ジャーニー 神の小屋より】

                     

評価:3
アメイジング・ジャーニー 神の小屋より/サム・ワーシントン
■ヒトコト感想
幸せに生活していたマックは、ある日のキャンプで末の娘ミッシーが行方不明となり…。強烈な悲劇に見舞われた際の、男のやるせない気持ちを宗教的な表現で再生させる物語だ。人によっては感じ方が大きく変わるだろう。神の存在を信じるのか、そして、何の宗教を信じるかにもよる。

娘を異常者に殺されたマックが、神に「相手のことを許せ」と言われたとして、簡単に許すことはできない。娘を助けてくれなかった神すらも恨む。人は信じられない現実を突きつけられると、どうしようもない事実を受け入れることができないのだろう。自然豊かで穏やかな神との生活。今、まさに悩み苦しんでいる人には、もしかしたら救いになるかもしれない。

■ストーリー
愛する妻と3人の子供たちに囲まれ、幸せに暮らしているマック。ある日、用事のある妻を残し、マックと子供たちはキャンプに出掛ける。大自然の中、川遊びをする長男と長女、まだ幼い末娘ミッシーとのままごとを楽しむマック。だが悲劇は突然やってきた。誤って溺れた長男を救う為、川に飛び込んだマックだが、その目を離した隙にミッシーが行方不明になってしまったのだ。そして捜索から数時間後、事態は最悪の結末を迎える…。

■感想
少し目を離したすきに、幼い少女であるミッシーは何者かに連れ去られ、帰らぬ人となった。父親であるゴールは、目の前で起きた現実を受け入れることができない。つい、ゴールの立場に自分を置き換えてしまった。自分がもしゴールと同じ経験をしたら、どうなるのだろうか。おそらくゴールと同じように、常にその瞬間と前の行動のひとつひとつを後悔するだろう。

あの時、ああしていれば、こうしていれば、キャンプに行かなければ、と後悔はやむことはない。

家族の皆が苦しむ中で、ゴールはいつまでも復活できずにいる。そして、神たちが住む世界に入り込む。非常に宗教的なイメージが強い。自然に囲まれた小屋で人種の違う男女が生活している。穏やかな日常を過ごしゴールに対しても一緒に生活するように促す。

ゴールはこの非現実的な出来事で、すぐに相手が神であると気づく。ただ、その瞬間になぜ神はミッシーを助けてくれなかったのかと食いつく。その思いは当然だろう。娘が殺されたと知った瞬間、この世には神も仏もないと思うのは間違いない。

宗教的な流れの中では、神は罪を憎んで人を憎んではならないと説く。口でいうのは簡単だが、マックがその心境になるのは難しい。神との生活の中で、何か悟りを開いたような心境になるのだろうか。自分がもしマックの立場になったとしら…。

ミッシーのいない現実に戻るよりも、神との生活を選ぶかもしれない。妻や2人の子供がいるにも関わらず、マックは現実世界に戻った瞬間にミッシーがいないことを常に考え続けることになるからだ。その苦しみを考えると…。

宗教とは、本作のようなことを相手にイメージさせることなのかもしれない。



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