あまくてにがい


 2020.4.19      野菜嫌い女子とベジタリアンのゲイの物語【あまくてにがい】

                     
にがくてあまい [ 川口春奈 ]
評価:3

■ヒトコト感想
マンガ原作らしい。元ネタを知らないのだが、ゲイをテーマとしているあたり少女漫画っぽい印象を受けた。キャリアウーマンのマキがイケメンの渚と出会うが渚はゲイだった。なぜか野菜嫌いのマキとベジタリアンの渚が同棲することになる。作中ではたびたび渚のヘルシーでおいしそうな料理が登場してくる。野菜嫌いのマキはいつの間にか渚の料理に魅了されていく。

物語はちょっとギャグっぽくもあり、シリアスな場面もある。マキが渚の気を引こうと必死になるのは面白い。マキの気持ちをよそに渚は男に興味をもち、さらにはマキの父親の方にまで興味をもってしまう。ここ最近よくある食べ物系のドラマに近い印象だが、ゲイと普通の女子のゴタゴタというのもよい。

■ストーリー
容姿端麗で野菜嫌いなキャリアウーマン・江田マキ(川口春奈)は、ある日イケメンの男子校美術教師・片山渚(林遣都)と出会い一方的に恋に落ちる。新しい出会いと同居相手を探していたマキは、渚の家にころがり込むことに。しかし、渚はなんとゲイのベジタリアンだった! それでも、渚の作る野菜たっぷりの料理に癒されていくマキ。

マキが野菜嫌いの原因となった父親・豊(中野英雄)との確執。家族との過去を乗り越えられず苦しんでいる渚。それぞれが抱える問題を解決していくうちに、お互いが"大切な人"に変わっていく…。

■感想
キャリアウーマンとゲイの同居生活。それだけでも何かありそうな雰囲気だが、そこに野菜嫌いとベジタリアンというおまけがつく。ゲイの渚はマキのために弁当まで持たせたりする。同居生活では、マキは渚を振り向かせようと必死になるが、ゲイが女に興味をもつことはない。

ここでのマキのむなしい努力が強烈に面白い。マキはネットで情報を調べたりと努力をするのだが…。無理やり男の姿をしてみたり。。。渚の徹底した女に興味ない雰囲気と後輩の体育教師に興味をもっている素振りが最高だ。

渚の作る料理はすべてうまそうだ。野菜を中心としたヘルシーな料理の数々。野菜嫌いのマキであっても渚の作る料理なら少しづつ食べることができる。料理しているシーンを真上から撮る手法は、料理系のドラマによくある。どんな材料でどんな料理を作り上げるのか。

イケメンの料理男子というのは最高なのかもしれない。ただその男子がゲイであり、まったく女に興味がないということを除けば。。渚は料理がうまく家事全般が得意であり、マキはそのあたりがまったくできない。この対比も面白さを生んでいる。

マキの実家の父親は野菜作りに心血を注いでいる。そんな父親の影響でマキは野菜嫌いとなる。マキの野菜嫌いは渚の料理で変化していく。野菜嫌いの女子がベジタリアンの男子の影響を受けて野菜が食べられるようになる。家族愛やジェンダーの問題などを絡めながら面白可笑しく物語を展開している。

ゲイとノーマルな女子の交流の面白さは秀逸かもしれない。物語の面白さとしては特別なインパクトはないのだが、マキの暴走ぶりが見えるのがよい。こんな女性は身近にいそうだ。

それなりに強烈なインパクトのある作品だ。



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