赤ずきん


 2019.2.8      童話を意識し、逆手にとった内容 【赤ずきん】

                     
赤ずきん
評価:3

■ヒトコト感想
童話の赤ずきんを逆手にとる作品だ。ある村は巨大な狼に襲われていた。熊のように巨体でありながら猫のようにすばしっこい狼だ。村人たちはいけにえを差し出すことで狼の恐怖から逃れていたのだが…。実は狼は人に化けることができ、村の中に入り込んでいるということが判明する。ここで人狼は誰かという探索が始まる。

主人公の赤ずきんに近づく者が狼だ。童話の流れでいえば、おばあさんが実は狼だったというのが流れであり、その流れを踏襲していると思われたのだが…。人狼には人狼側の理屈があり、赤ずきんに絡んでくる理由もあった。タイトルから想像するのと、かなり内容は異なっている。巨大な狼というのは、それだけでインパクトがあるのは間違いない。

■ストーリー
誰もが知っているおとぎ話「赤ずきん」の衝撃の結末!『トワイライト~初恋~』のキャサリン・ハードウィック監督が贈る、禁断のダーク・ラブファンタジー。アマンダ・サイフリッド、ゲイリー・オールドマンほか出演。

■感想
タイトルが赤ずきんとなっていると、おばあさんが狼に食べられ、その狼がおばあさんに化けて赤ずきんを襲うというイメージがある。本作では巨大な狼に襲われる村で、狼が人間に化けて村の中で生活しているため、誰が狼かを探す物語だ。巨大な狼は赤ずきんに近づいて一緒に逃げようという。

となると美しい赤ずきんに言い寄る若い男か、それとも母親か、はたまた童話と同様におばあちゃんが狼なのか、と疑問に思うことだろう。強烈なインパクトはないのだが、誰が人狼なのかが物語のすべてだ。

巧みな伏線を張り巡らすことで、赤ずきんをめぐる複雑な人間関係があらわとなる。最初に狼の犠牲となった赤ずきんの姉が、なぜ殺されたのか。母親も狼に傷つけられたりもする。おばあちゃんから狼の匂いがすると言われたり、明らかにおばあちゃんが人狼だという誘導がある。

赤ずきんの夢の中で、あのおばあちゃんの有名なセリフがでてきたり…。巨大な狼が実はか弱いおばあちゃんだったというのも、ギャップがあってよいのだろう。観衆の誰もがおばあちゃんが人狼だと思ったその時…。驚きの答えが待っている。

なぜ狼が赤ずきんに近づいたのか。それらの理由は狼の正体が判明するとはっきりする。狼を退治した後には、童話と同様に人狼だとわからないようにしたりもする。かなり童話を意識しているが、赤ずきんとしては新しい作りとなっている。超巨大な狼はインパクトがある。

出演者的には大ヒット作である「トワイライト」を意識したのだろうが…。どうにもそこまでブレイクする感じではない。二番煎じ的な香りを感じずにはいられないのだが、どうにもうまくいかなかった感じなのだろう。

童話のイメージとはかなり変わってくる。



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