アイム・ノット・ゼア


 2019.11.21      ボブ・ディランとはどんな人物か【アイム・ノット・ゼア】

                     
アイム・ノット・ゼア /クリスチャン・ベイル 
評価:2.5

■ヒトコト感想
ボブ・ディランの生涯を描いた作品。正直ボブ・ディランがどんな人物かはよく知らない。アーテイストとして成功したイメージがある。お決まりどおりかなり癖がある人物であり、それを様々な俳優が演じている。みなボブ・ディラン風にしているかと思いきやそうではない。キリスト教に傾倒した時期やアーティストとして全盛の時期。そして家族とうまくいかない時期。

それぞれを演技派の俳優たちが演じているのだが…。特に強烈なのはケイトブランシェットが演じるボブ・ディランだ。線の細さはモノクロの映像とすることでごまかしている。ボブ・ディランはアーティストとして女性のような面があったのだろうか。ボブ・ディランはほとんど知らなかったが興味がわいてきたのは確かだ。

■ストーリー
女優のケイト・ブランシェットも含め、6人の俳優がボブ・ディランを演じる。とは言ってもディランの人生をそのまま再現するわけではなく、デビュー以前の彼の心象や、キリスト教に傾倒した時代、さらに彼の歌詞を象徴するビリー・ザ・キッドの世界など、6人が演じるのは、ボブ・ディランの「断面」。

そこからひとりのアーティストの素顔を浮き上がらせようとするのが斬新で、このアプローチだけでも本作の意義はあると言っていい。

■感想
ボブ・ディランについては詳しくない。シンガーソングライターとして有名だというのはわかる。そんな状態で本作を見たのだが…。本作を見るとアーティストとしての成功というよりは、かなり特殊な人物だったのだろうというイメージが強い。

ボブ・ディランを様々な俳優たちが演じている。ケイト・ブランシェットからリチャード・ギアまで。有名俳優たちがそれぞれの時代のボブ・ディランを演じる。ケイト・ブランシェットとリチャード・ギアが同一人物を演じることにまず驚いたのだが、時代の変化ということですんなり受け入れることができた。

クリスチャンベールが演じるボブ・ディランが一番しっくりきているような気がした。曲がヒットし有名人となってから、その周りの変化に戸惑い始める。ケイト・ブランシェットが演じるボブはかなりエキセントリックになっており、気難しいアーティストそのままといった感じだ。

その時々でどのように変化していったのか。ボブの心境を俳優たちが懇親の演技で表現している。リチャード・ギアが演じた晩年のボブは、それまでのとんがったイメージから一新しているのが良い。

ボブ・ディランファンが本作を見たらどのような印象をもつのだろうか。自分の場合はほぼボブ・ディランの情報はもっていないので、本作の情報がボブ・ディランの全てというような勢いで刷り込まれてしまう。

ファンの評価がどうなるのか。素人的には時代時代の心境の変化を、それぞれの俳優が独自の描き方をしているのが良いと感じた。強烈なインパクトはないのだが、ボブ・ディランに興味がある人は見てみるのも良いだろう。

ボブ・ディランとはこんな人物だったのかと、若干驚いたのは確かだ。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp