アバウト・タイム 愛おしい時間について


 2020.9.10      タイムトラベルが幸せを引き寄せる【アバウト・タイム 愛おしい時間について】

                     
アバウト・タイム 愛おしい時間について
評価:3

■ヒトコト感想
青年ティムはごく普通の青年であったが、ある日、父親からタイムトラベル能力があることを知らされる。俗に言う、都合のよいタイムトラベル能力で、人生の中で失敗したことをやり直せるという良いことづくめの能力だ。運命の女性メアリーに出会ったが、妹を助けるためにタイムトラベルしたため、メアリーとの出会いを逃す。

物語としては、ティムがメアリーと出会い恋人になるために必死にタイムトラベルを繰り返す姿を面白く眺めるのがメインだろう。物語のポイントはそこではない。メアリーと結婚し子供が生まれ平凡だが幸せな生活を続けている。タイムトラベルは人生のやり直しに使うのではない。特殊な能力をもっていても回避できない不幸はある。最後は、なんだかしんみりしてくる作品だ。

■ストーリー
人生の宝物は生きてきた日々そのもの! なにげない一日が、かけがえのない時間だったと気づくー。イギリス南西部コーンウォールに住む青年ティムは、両親と妹、そして伯父の5人家族。どんな天気でも、海辺でピクニックを、週末は野外映画上映を楽しむ、風変りだけど仲良し家族。しかし、自分に自信のないティムは年頃になっても彼女ができずにいた。そして迎えた21歳の誕生日、一家に生まれた男たちは代々タイムトラベル能力があることを父から知らされる。

そんな能力に驚きつつも恋人ゲットのためにタイムトラベルを繰り返すようになる。やがてティムは弁護士を目指してロンドンへ移り住み、チャーミングな女の子メアリーと出会い、恋に落ちる。ところが、タイムトラベルが引き起こす不運によって、二人の出会いはなかったことに。ティムは巧妙なタイムトラベルを重ねた末、ようやくメアリーの愛を勝ち取ることに成功する。その後もタイムトラベルを続けて人とは違う人生を送るティムだったが、やがて重大なことに気がついていく。

どんな家族にも起こる不幸や波風は、特殊能力を使っても回避することは不可能なのだと。そして、人生最大の選択を迫られるのだった…。

■感想
父親からタイムトラベルの能力があることを知らされるティム。そこから人生が変わっていく。わりと冴えない人生であったティムだがメアリーと出会い恋人をゲットする。弁護士の卵のティムはメアリーと楽しい日常を過ごしていたのだが…。

妹の人生をやり直させるためにタイムトラベルの能力を使う。妹をダメ男から解放させることに成功したのだが、メアリーと出会えない人生となる。ティムはいろいろな手段を用いてメアリーと親密になろうとするのだが…。ここで何度もタイムトラベルを使うことでメアリーを再びゲットしている。

ティムとメアリーは平凡だが幸せな生活を続ける。ちょっとした問題が起きたとしてもティムのタイムトラベル能力でたくみに避けている。父親はタイムトラベル能力を使うことに肯定的だが…。どうしてもさけられない出来事は起きる。

メアリーとティムの間に子供ができてティム自身にタイムトラベル能力がなくなる。父親は病死することなる。驚きなのは、父親が死んでからも、ティムはたびたびタイムトラベルをし、生きていたころの父親と卓球をしていた。父親自身もそのことに気づいているのがさらに驚きだ。

様々な問題をタイムトラベルで解決してきたティムだが、どうにもならないことがある。はたから見ると、ティムは幸せな人生をおくっている。そして、ティムの周りもティムがタイムトラベルし問題を取り除いていることで同じく幸せな日常を過ごしている。

メアリーの輝くような笑顔。ティムはまじめに弁護士として活動し、家では子供たちの面倒も見る。些細な問題は起きるのかもしれないが、平凡なのが一番の幸せだというのは、まさに人生の心理なのだろう。

タイムトラベル能力を使うことにより不幸になる、という流れがないのがよい。



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