ニューヨーク、アイラブユー


 2018.8.24      ニューヨークは人種のるつぼだ 【ニューヨーク、アイラブユー】

                     
ニューヨーク,アイラブユー [ (オムニバス映画) ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
かなりのビッグネームがちょっとした恋愛短編に参加している。目移りするほどの内容と出演者たちだ。若手から大御所まで、まんべんなくちりばめられており、この映画スターがたったこれだけ?というような使われ方をしている。それぞれの物語には、とりわけ人種について描かれている作品が多い。あえてそうしているのだろう。異なる人種間での話とすることで多様性が表現されている。

イケメン役者はイケメンの役がよく似合う。特にオーランドブルームなんてのは、絵にかいたようなかっこよい男を演じている。電話越しに女性をナンパするなんてのは、イケメンしかできない所業だ。必ずしも成立する恋愛というわけではない。黒人ダンサーと幼女という組み合わせもあり、非常にバラエティーに富んだオムニバス作品となっている。

■ストーリー
愛がいっぱいのニューヨークと出会う!10人の監督がそれぞれ独創的で意外性のあるストーリーを紡ぎ、11人目の監督が有機的につないでいく“ラブ・アンサンブルムービー”。女性の心を盗もうとするスリの青年の愛や、死を前にしてミューズを追い求める画家の愛。

ダイヤモンド街での文化の壁を超えた幻想的なロマンスや、ホテルのボーイと元オペラ歌手の時を超えた不思議な旅。また、めくるめくプロムの夜を過ごす10代の幸運な若者がいる一方で、一夜の情事の相手に永遠の愛を感じて再会のために急ぐ男女がいる……。

■感想
最も印象深いのは、失恋した少年と車いすの少女の物語だ。卒業プロムに一緒に行く相手がいない少年は薬剤師の娘とプロムへ行くことになったのだが…。写真を見て期待した少年は、少女がでてきた瞬間に絶句することになる。それは少女が車いすに乗っていいたからだ…。

少年の微妙な感情を表現する役者の表情がよい。そして、少女が天真爛漫なのもよい。ラストは驚きのオチだが、他の作品と比べるとカラリとした明るさがある。ニューヨークという大人の雰囲気はないのだが、このすっきり感はすばらしい。

作曲家とアシスタントの話も印象深い。電話で様々な指示をするアシスタント。その無理難題に怒りを感じる作曲家だが…。電話で頻繁に話をしていると、相手のことを知ったつもりになり、相手に興味がわいてくる。そして、電話でしか話したことのない相手と初めて会うことに…。

作曲家もアシスタントも美男美女という前提が必要だ。初めて相手を見た瞬間、お互いに目がハートマークになっている。非常に古典的ではあるが、ポップな雰囲気が良い。

その他の作品は全て大人の雰囲気を醸し出している。明確に恋愛の要素はない。ちょっとしたナンパのシーンだったり、その後の展開を予想させて楽しむ作品だったり。ニューヨークは人種のるつぼということで、ユダヤ系や中東系アメリカ人も参加し、そのあたりを表現している。

シャイアラブーフなんかは、若さに似合わない老獪な演技をしている。見た目と演技のギャップは一番かもしれない。ニューヨークの薄暗い夜道の中で男と女が駆け引きをする。そんな大人のエピソードにあふれている。

多種多様な恋愛映画が見たい人におすすめだ。



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