ミスター・ベースボール


 2021.12.25      もしかして、昭和の中日か?【ミスター・ベースボール】

                     
ミスター・ベースボール [ トム・セレック ]
評価:3

■ヒトコト感想
MLBに日本人が挑戦するのが普通になった現在では、コメディに感じてしまう本作。中日にヤンキースから助っ人がやってきた。助っ人のジャックが日本の野球になじめない。中日の監督は星野仙一をイメージさせるようなキャラクターとなっている。まるで軍隊のように監督が選手たちを統制する。ジャックからすると野球は楽しむものという感覚があるのだろう。

野球だけでなく、日本の風習に戸惑う場面が最高だ。監督の家でもてなしをうけるのだが、周りが素麺をすするのを困惑した表情で見るジャックの姿が印象的だ。ジャックはマネをして素麺をすするのだが、かなり不味そうだ。監督の娘のヒロ子と恋人同士になるなど、怖い者知らずな面もあるのが良い。

■ストーリー
ジャック(トム・セレック)はヤンキースのスター選手。だがルーキーとの競争に敗れ、トレード宣告。行き先は何と日本の中日ドラゴンズ!大リーガーのプライドでプレーを続けようとするが、待ちうけていたのはガチガチの管理野球を強いる頑固な内山監督(高倉健)。両者は事あるごとに対立してしまうが、チームメイトや通訳に西村(塩屋俊)、監督の一人娘ヒロ子(高梨亜矢)らとの交流を通して、お互いを理解するようになる。そして、チームはリーグ優勝を懸けたシーズン最終戦を迎える。

■感想
ヤンキースで若手に追い落とされる形となったジャック。急遽、中日へと移籍することになるのだが…。80年代の日本野球はこうだったのだと、思い起こさせる場面が多々ある。ジャックが困惑するのもうなづける場面ばかりだ。

得点ボードがひっくり返って数字を変えるパターンであったり、ロッカールームがやけに古臭かったり。中日で暴力体な監督と言えば星野仙一をイメージするしかない。内山監督は選手たちに恐れられジャックに対してもガチガチの管理野球をしようとする。

ヒロ子と付き合うことになるのだが、後で監督の娘と知り激怒する。メジャーから期待してやってきたはずのジャックがまったく活躍できない。そして、監督と共に特訓する。必死に練習したことでジャックの調子がよくなるというのは、あまりにも定番パターンすぎる。

ちょっとしたスポ根ものとして描かれている。面白ポイントとしては、ジャックが日本の風習に戸惑う場面だ。いちいち靴を脱ぐことに困惑し、でかい体をもて余しているような雰囲気が良い。

チームメイトとの関係は、最初はギクシャクしていた。野球を楽しもうとするジャックと、管理野球にはめこまれた選手たち。ベンチでいたずらをするジャックに対して監督が激怒したりもする。ジャックはあくまでもチームの雰囲気を良くするためにいたずらをしている。

チームメイトとの関係がよくなると、あべこべにジャックがチームメイトにいたずらされたりもする。ジャックが絶好調となり、チームも勝ち始めると、そこからチームの雰囲気がよくなる。

昔のプロ野球はこんな感じだったのだと思い出すことができた。



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