K2 初登頂の真実


 2019.2.24      時代を感じさせる登山の装備 【K2 初登頂の真実】

                     
K2 初登頂の真実 [ マルコ・ボッチ ]
評価:2

■ヒトコト感想
高さ的にはエベレストに負けるが、登頂の困難さではエベレストを超える山であるK2。そんなK2に初登頂しようと集まった者たちがいた。物語は登頂メンバーを集め、その中で有望な人物を選別するところから始まる。厳しいトレーニングと、考え方が異なる者を排除したりと、登頂するためにできることはすべてやる。そして、余計なリスクは排除するため、少しでも問題がありそうな人物は連れていかない。

リーダであるデジオ教授は、登頂という目的を達成するために鬼になる。K2への登頂という厳しい状況とメンバー間の嫉妬や不信などが物語のカギとなる。今では考えられないような軽装でK2へ登る。確実に現在よりも登山者にかかる負荷は大きいはずだ。

■ストーリー
「非情の山」として畏怖の念を持たれ、エベレストにも増して登頂が困難な、世界第二の高峰―。1954年、イタリアでは野心家のデジオ教授が密かに最強のアルピニスト・チームを集めていた。厳しいトレーニングで中には肉体的、精神的な限界にぶつかる者もいた。だが、皆前へ進みたい。登頂したいのだ。

強靭な精神力と足腰を持つ青年ボナッティはその代表格だ。最終的には12人が選ばれる。男たちが地球を半周し命知らずの登攀を始めると、それぞれの個性がぶつかり合い、結束したチームに嫉妬と不信が見え隠れし始める・・・。果たしてK2初登頂は成功するのだろうか。

■感想
いまだかつて誰も登頂していないK2に挑戦するため、デジオ教授は選りすぐりのメンバーを集め初登頂を達成しようとする。今では考えられないような非科学的なトレーニングをしながら候補者の中で登山適正のある人物を見つけ出そうとする。およそ半数しか合格しない中で、候補者同士の嫉妬から不仲になる。

当然のことだろう。世界初の栄誉を勝ち取るチャンスがあるが、そのメンバーに選ばれなければ話にならない。挑戦する者たちは、どうにかして今の生活を変えるために命をかけて挑戦しようとする者たちばかりだ。

登頂メンバーに選ばれる者と選ばれない者。あからさまに結果がでるだけに、落選した者の落胆具合はすさまじい。そこでドラマがあるのは、一度は選から漏れたと思われた者が再度選ばれる場面だ。

一度そのようなことがあると、命をかけてでも登頂しようという思いが強くなるのだろう。登頂直前には、リーダーである有名アルピニストが持病のためメンバーから外れることになる。誰もが不安に感じる中でも登頂はスタートする。ここから大掛かりな登頂がスタートする。

ラストまでは当然ながら厳しい登山の状況が描かれている。複数のキャンプを張りながら登っていく。ベースキャンプでは天候やメンバーの体調を気にしながら、選ばれた少数のメンバーだけで登頂しようとする。

各種のドキュメンタリーで登山の過酷さはよくわかっている。何より驚くのは、時代のせいもあるのだろうが、驚くほどの軽装でK2に挑戦しているということだ。今の科学に裏打ちされた装備であれば、もっと登山者に負荷がかからずに登頂できたことだろう。

それを考えると、初登頂は相当困難なものだとわかる。



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