8年越しの花嫁 奇跡の実話


 2019.6.24      8年間待ち続けたことの衝撃【8年越しの花嫁 奇跡の実話】

                     
8年越しの花嫁 奇跡の実話
評価:3

■ヒトコト感想
本作が実話ということなのだが…。途中で信じられなくなった。結婚を約束したカップルが、彼女が病気で意識不明となる。意識が戻っても記憶がない。まさに絶望的な状況だが、それでも相手のことを待ち続ける。なぜそこまで?と思わずにはいられない。

恐らくだが、尚志と麻衣は出会ったころは20代の前半なのだろう。そこから麻衣が寝たきりとなる。麻衣の両親がしきりに尚志のことを心配し、もう通わなくてもよいと言う。普通ならば、いつ意識を戻すかわからない彼女を待ち続けることはできないだろう。だからこそ書籍になり映画化されたのだろう。尚志がどのような思いで麻衣を待ち続けるたのか。その部分は伝わってこなかった。

■ストーリー
結婚を約束したカップル、尚志(佐藤健)と麻衣(土屋太鳳)。結婚式を間近に控え幸せ絶頂だったある日、原因不明の病が突然麻衣を襲い、意識不明となってしまう。いつ目が覚めるかわからない状態に、麻衣の両親(薬師丸ひろ子、杉本哲太)からは「もう麻衣のことは忘れてほしい」と言われるが、尚志は諦めず麻衣の側で回復を祈り続ける。そしてふたりが結婚を約束してから8年、ついに最高の奇跡が訪れる――

■感想
ごく普通の青年が意識不明の彼女をひたすら待ち続ける、ただそれだけの物語なのだが…。尚志がどこか抜けているような雰囲気があり、この尚志だからこそ麻衣を待ち続けることができたという流れなのだろう。

明るく楽しいリア充系の男子が麻衣を待ち続けるというのは、リアリティに欠ける。麻衣は待たせる側なのだが、病気の演技がすさまじい。恐ろしいのは、原因が不明だということだ。言い換えれば誰でもそうなる可能性があるということだ。

麻衣が意識を戻してからも、生まれたての子どもと変わらない。非常にショッキングだ。やっと目を覚ましたと思ったら、自分のことを覚えていない。そこから、少しづつ記憶を取り戻していく。同級生たちのことは思い出すのだが…。

最後まで尚志のことを思い出すことができない。この場面での尚志の気持ちを思うと涙があふれ出てくる。ひたすら麻衣を待ち続けていたのが、ついには自分のことを思い出すことがない。それは、つまり相手を苦しませることになるため、尚志は悩み苦しむ。

まったく記憶がなくとも、常に身近にいる男のことは気にならないのだろうか。恋愛感情にまでいかないにしても、麻衣がその後、尚志との思い出をなぞるような場所へ行くのが、好意的に思っていることを示している。

エンディングでチラリと実際の夫婦と思われる写真が写りこんでいる。8年間も待ち続けることの大変さや、尚志側の家族の描写もほしかった。麻衣の両親の判断はまっとうで、尚志側の両親も、もしかしたら激しい反対があったのかもしれない。

自分だったら絶対に待てないだろう。



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