500ページの夢の束


 2020.6.18      自閉症の女がハリウッドへひとり旅【500ページの夢の束】

                     
500ページの夢の束 [ ダコタ・ファニング ]
評価:3

■ヒトコト感想
ダコタファニングが成長し、自閉症の女ウェンディを演じている。趣味はスタートレックの脚本を書くこと。突然癇癪を起すことから姉夫婦との生活を拒否され施設で生活するウェンディ。ひたすら脚本を書くことでウェンディは自分の中にある将来の不安を和らげているのだろう。

アルバイトをしながらひたすら脚本を書く生活。ちょっとした行き違いから脚本の提出締め切りに間に合わないため、ハリウッドまで脚本をもっていくことを決意するウェンディ。自閉症の女がハリウッドまで犬と共に旅をするのがメインだろう。道中では良い人間もいればウェンディが自閉症だと知ると金をかすめとろうとする者もいる。ウェンディの旅は応援したくなる。

■ストーリー
『スター・トレック』が大好きで、その知識では誰にも負けないウェンディの趣味は、自分なりの『スター・トレック』の脚本を書くこと。自閉症を抱える彼女は、ワケあって唯一の肉親である姉・オードリーと離れて暮らし、ソーシャルワーカーのスコッティの協力を得てアルバイトも始めた。ある日、『スター・トレック』脚本コンテストが開催されることを知った彼女は、渾身の作を書き上げるが、もう郵送では締切に間に合わないと気付き、愛犬ピートと一緒にハリウッドまで数百キロの旅に出ることを決意する。500ページの脚本と、胸に秘めた“ある願い”を携えて―

■感想
自閉症の人物が特定の分野にすぐれているパターンだ。今回のウェンディはスタートレックに関しての知識がずば抜けている。スタートレックファンが出すちょっとしたクイズはすべてウェンディが答えてしまう。スタートレックが好きすぎてウェンディはとうとう自分で脚本を書いてみたりもする。

500ページにわたる大作。ウェンディはこの脚本をハリウッドの脚本コンテストに送ることを常に考え生活していたのだが…。ちょっとした行き違いで脚本が送れないことになる。

ウェンディの姉夫婦はウェンディの扱いに困惑している。ウェンディは自分では制御できないほど癇癪を起すことがある。小さな子供がいる姉夫婦にとってウェンディの面倒を見ることは難しい。そのためウェンディは施設で生活しているのだが…。

ウェンディが脚本をハリウッドにだすために、ひとりで施設を抜け出した。そのことを知ったウェンディの姉は、必死になってウェンディを探し回る。ひそかに姉の心の中には、ウェンディを避けてきたという思いがあるのだろう。

ウェンディのハリウッドへのひとり旅はハラハラしてくる。何も知らないウェンディは周りの助けを借りながらバスで移動する。道中では心無い者や、弱者から金を奪おうとする者たちがいる。ウェンディは有り金をすべて奪われたりもする。

ちょっとしたおかしを買う場合も、店員はウェンディがよくわかっていないと知ると、法外な値段をウェンディにふっかける。騙され続けるウェンディだったが、中には善意からウェンディを助けてくれる者もいる。このウェンディの旅が本作のメインであることは間違いない。

ウェンディには思わず応援したくなる何かがある。



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