48時間


 2021.7.5      刑事と囚人は最高のコンビだ【48時間】

                     
48時間 [ ニック・ノルティ ]
評価:3

■ヒトコト感想
エディ・マーフィの出世作。服役中の黒人レジー役をエディ・マーフィが演じるのだが、主役の白人刑事とのコンビが最高だ。48時間限定の保釈という形で無理やり凶悪犯を逮捕するために駆り出されるレジー。軽口をたたきながら、相棒の刑事と捜査をする。最初は反抗的であったレジーが最後には犯人逮捕に積極的に協力する。

序盤では刑事を出し抜き自由になることだけを考えていたレジーが、いつの間にか刑事に協力するようになる。そのタイミングで刑事もレジーに拳銃を持たせたりと、お互いがお互いを信頼するようになる。このふたりの関係性が面白さのポイントだろう。保釈され女とやることに必死となるレジーと、それを茶化す白人刑事。時代を感じさせる描写が多々あるが、良作だ。

■ストーリー
エディ・マーフィの出世作となった刑事アクション。脱走した囚人に相棒を殺された刑事は、服役中の黒人・レジーに捜査協力を求める。48時間の仮釈放という条件で、ふたりは凶悪犯の追跡に当たる。

■感想
人質をとり逃亡している凶悪事件の犯人を逮捕するために刑事が考えた手段は、凶悪犯と昔仲間で今は服役中のレジーを捜査に加えることだった。レジーと白人刑事の駆け引きが秀逸だ。最初は強気にでていたレジーだが、最終的には白人警官に押し切られてしまう。

白人と黒人のコンビ。刑事がレジーのことを信用しておらず銃を持たせずに危険な捜査をさせる。このふたりのコンビは最初はギクシャクしている。刑事は事件を解決することを第一に考えるが、レジーは外を謳歌することを考えている。

凶悪犯の手がかりを得るためにレジーの情報をフル活用する。それでも犯人を捕まえることができずにいると、今度はレジーに非難の矛先が向いてくる。期間限定で保釈し捜査を手伝わせるなんてのは異例中の異例なのだろう。

白人刑事は上司から報告書を出せとせっつかれても、明日出しますと言いながら犯人逮捕にだけ熱を注ぐ。時代を感じさせるのは、周りの刑事たちがしきりに電話の応対をしており、白人刑事へ電話を頻繁につなぐ場面がある部分だ。昔はこうだったなぁ、と思い起こさせる場面だ。

レジーと刑事の関係は変化していく。レジーはクラブで女をナンパしやることだけを考えている。一方刑事は犯人逮捕だけを考えている。刑事は彼女との約束をすっぽかして彼女との仲が悪化する中、レジーと過ごす時間が長くなると、次第にお互いを理解し始める。

レジーが変わっていくのが良い。女とやれる寸前のところで、犯人の関係者が逃げ出すのを見て、女を放置し追いかける。ラストでは、凶悪犯が残したレジーの金を、刑事はレジーに渡す。ここで不正な金だと杓子定規に取り上げることをしないのが最高だ。

最高のコンビだ。



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