2021.6.10 切腹を美化した忠臣蔵【47RONIN】
47RONIN [ キアヌ・リーブス ]
評価:3
■ヒトコト感想
忠臣蔵をモチーフとしたハリウッド映画。ハリウッド視点での変な日本像というのが気になるところだが…。切腹がやけに美化されている。白装束を身に包み、切腹することが名誉のように描かれるハリウッド映画は珍しい。キアヌリーブス以外はほぼ有名な日本の俳優で固められている本作。
ターゲットとなるのはアメリカなのか日本なのか。日本をターゲットにしたとしたら、どしてもヘンテコに思えてしまう。アメリカ向けにしては、日本の俳優が多数出演していることに違和感しかない。主君の仇を討つために、異人のカイと共に吉良上野介の城へ迫る。47人の男たちが、主君の仇を討ったとしても切腹が待っている現状におびえることなく戦いへ赴く。切腹の美化が強烈だ。
■ストーリー
「忠臣蔵」をモチーフに最新CG技術を駆使して描くアクション。吉良上野介に奪われた主君・浅野内匠頭の名誉を回復するべく、大石内蔵助、混血の異人・カイほか47人の赤穂浪士が命を捨てて立ち上がる。
■感想
忠臣蔵を知らない人が見ると、ただの主君の仇討を描いているだけに見えるだろう。オリジナルでは吉良上野介と浅野内匠頭の複雑な関係があり、日本的な面白さのようなものがある。本作では、浅野内匠頭は吉良上野介の部下の蛇女の妖術により錯乱状態におちいり、そこから城内で問題を起こしたということになっている。
わかりやすく悪が存在しているため、大石内蔵助たちが主君の仇を討つことに対して、なんの違和感もない。47人の部下たちが、仇討をしたとしても、その後には切腹が待っている。文字通り命を賭けての復讐劇だ。
日本の有名俳優たちが出演している。主役は混血のカイとなるのだが、脇を固めるのは真田広之や浅野忠信などだ。吹き替えで見たので、日本人の演技には違和感がないが、おそらく日本人たちは英語で演技をしていたのだろう。
日本向けの吹き替えにおいて、有名日本人俳優は本人がアフレコをしているのだが、ハリウッドの日系人に対しては声優が声を当てているようだ。間違った日本感がアチコチに散見される本作。日本をターゲットにしているのなら、かなり苦しい内容となっている。
主君の名誉を守るために47人の浪人たちが立ち上がる。吉良上野介の城に押し入る場面では、忍者的な雰囲気をだしながらひそかに城に入り込んでいる。悪の権化である蛇女のCG全開な映像は強烈だ。カイや大石が見事に主君の仇を討つ。
ハリウッド的にはこれで終わりのはずだが、浪人たちは将軍の命令に背いて仇討をしたということで切腹を命じられる。これがアメリカでどのように受け入れられるのか。浪人たちは切腹は名誉あること、という流れなのだが…。
切腹を妙に美化しているのが気になった。
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