30ハケン女が就職する方法


 2019.4.16      40代以上の人は懐かしさを感じるドラマだ【30ハケン女が就職する方法】

                     
30ハケン女が就職する方法 /内田有紀
評価:2

■ヒトコト感想
演出が古臭いが懐かしさを感じてしまう。派遣社員の気楽さや突然の派遣切りなどがあり、わかりやすいラブコメもある。派遣社員の莉子と派遣会社の営業の龍崎が、わかりやすいラブコメを演じている。何より、ストーリーはシンプルなのだが、演出が究極に古臭い。場面が変わる際に、軽妙な音楽と共に変化する。ひと昔前のトレンディドラマのようだ。

出演している俳優の影響もあるのだろう。内田有紀や豊原功補には古臭さしか感じない。ただ、年代的に自分は懐かしさを感じた。2010年の作品だが、2000年の作品だと言われても納得してしまうような作品だ。今風の映像に慣れている人にとっては、チープに感じるだろうが、これが懐かしさだ。

■ストーリー
三十路を過ぎた派遣OL・神林莉子(内田有紀)が、派遣切りの危機に遭う。意地でも今働いている会社の正社員の座をゲットしようと奮起するが、人材派遣会社の莉子の担当・龍崎一太(豊原功補)は、何とか次の派遣先を斡旋しようと奮起する。対立関係になり、何かと反発し合う2人。ただし、それは単に派遣女と担当者の衝突ではなく・・・。

■感想
気楽な派遣OLの莉子が、派遣切りに直面し、そこで自分の置かれている状況を見直す。本作を純粋な派遣社員の映画と考えるのは無理がある。莉子は派遣社員にしては恵まれている。貧困というわけでもないので、自分の夢に向かいながら、いろいろと選択することができている。

今の派遣を描くのならば、貧困を強調すべきだろう。莉子が龍崎と再会し、そこでラブコメ風味が強くなる。龍崎が莉子に対して恋愛感情を抱いていたのか。最初から明らかにラブコメ路線にすすむのが見え見えの展開だ。

莉子は食品関係の仕事をするために正社員を目指す。龍崎は自分の担当が派遣先から切られることを嫌がる。龍崎が、自分のことだけを考えて莉子の新しい派遣先を探していたのが、いつの間にか莉子の夢を考え派遣先を探すようになる。

莉子はそれでも悩み続ける。途中で突如として龍崎の父親が店主のラーメン屋が登場してくる。この唐突感はすごい。明らかに、この後、莉子がこのラーメン屋に就職することがわかるような流れとなっている。

伏線もなにもない、非常にシンプルでありがちな物語だ。古臭い音楽の連続。場面転換はコミカルな音楽。トレンディドラマ的な演出の数々。映画としてはあまりに低予算ではないかと思っていたら、携帯キャリア専用の10分ドラマを繋げただけの作品らしい。

そう考えれば、ありきたりで、過去のドラマの要素をつまみぐいしたような流れもうなづける。この古臭さは、今見るとかなり強烈だが、40代以上の人は、見れば間違いなく懐かしさを感じるだろう。

このチープさが良い?



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