22年目の告白 私が殺人犯です


 2018.9.5      メディアを活用した策略 【22年目の告白 私が殺人犯です】

                     
22年目の告白ー私が殺人犯ですー【Blu-ray】 [ 藤原竜也 ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
時効を迎えた連続殺人事件。22年後に曽根崎という男が私が犯人だとカミングアウトする。過去の事件の被害者の身内たちは、犯人の登場に色めきだつ。たとえ時効を迎えたとしても、恨みが消え失せることはない。あらゆるメディアを使って事件に関する告白本の宣伝をする曽根崎。当然ながら、マスコミは大騒ぎとなり、曽根崎は一躍有名人となる。

時の人となった曽根崎の元に、真犯人と名乗る男が登場してきた…。非常にスリリングで強烈なインパクトのある作品だ。物語の後半では犯人が誰かというのは容易に想像できるのだが、それが判明するまでの経緯がすばらしい。曽根崎がカミングアウトした理由や、事件を追いかけ続けた刑事の執念など、観衆を引き付けて離さない要素が多数ある。

■ストーリー
かつて5人の命が奪われ、未解決のまま時効を迎えた連続殺人事件。その犯人が、事件から22年後、突然自ら名乗り出た。会見場に現れたのは、自身の告白本を手に、不敵な笑みを浮かべる曾根崎雅人という男だった。顔をさらし、肉声で殺人を告白する曾根崎の登場にネットは熱狂! 賛否両論をまき散らしながら本はベストセラーに。

それだけでは終わらない。マスコミを連れての被害者遺族への謝罪、刑事への挑発、そして、サイン会まで。そのすべてがあらゆるメディアを通じて発信され、SNSで拡散されていく。それは、日本中を巻き込んだ新たな事件の始まりだった……。

■感想
5人を殺した連続殺人犯。身内の目の前でターゲットを絞殺するという残虐極まりない方法を実行した犯人。当然、目の前で身内を殺された者は、犯人に対する激しい怒りを忘れることはない。それは時効を迎えたとしても変わることはない。

犯人だとカミングアウトした曽根崎はたちまち有名人となりメディアにひっぱりだこになる。時の人となった曽根崎の本はバカ売れするが、被害者たちは曽根崎に対する恨みのため、曽根崎を襲撃したりもする。事件を追い続けた刑事は、曽根崎を守る命令を受けるのだが…。

事件を追い続けた刑事、曽根崎、被害者の身内、そして、事件を追いかけ続けたキャスター。それぞれがキャラ立ちしている。現実に起こりそうなことが盛りだくさんだ。メディアは批判を覚悟して曽根崎を生放送に呼ぼうとする。

曽根崎に対する世論の批判はすさまじいが、時効を迎えているため何も手をだすことはできない。キャスターが曽根崎に鋭く切り込むが…。曽根崎のキャラクターは憎たらしい。ただ、中盤以降は物語のトーンが一遍する。それは、真犯人と名乗る男から動画が投降されてからだ。

事件の真犯人と名乗る男が登場してからは、怒涛の展開だ。曽根崎は偽物だった。なぜ曽根崎は偽犯人としてメディアに登場してきたのか。曽根崎の目的は…。

オチはすさまじいインパクトがある。事件を追い続けた刑事と曽根崎の関係や、被害者たちとの関係まで、すべてがラストにつながっている。真犯人についてはある程度想定できるだろう。真犯人を見つけ出すまでの過程はそれほどインパクトのあるものではないが、ラストの流れはすばらしい。

youtubeを使うなど、現代ならではの展開が面白い。



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