2020.12.23 決断ひとつで核戦争が勃発する緊迫感【13デイズ】
13デイズ [ ブルース・グリーンウッド ]
評価:3.5
■ヒトコト感想
アメリカとソ連が核戦争を起こす直前までの状態となっていたことに驚いた。大統領のケネディと司法長官のロバートケネディ、そして大統領補佐官のオドネル。この3人を中心として、キューバへのアメリカ軍の侵攻についてソ連と激しい駆け引きをくりかえす。軍部側は戦争したという思いが強いように見えた。対して大統領はどうにか戦争へと向かわない方法を考えようとする。
お互い国のメンツがあるので、攻撃されたら反撃せざるお得ない。ある意味チキンレースのような感じだろう。ケネディの決断ひとつで核戦争が勃発していたかもしれない。内部では最悪の事態を想定し、家族に対して話をした者もいるようだ。アメリカとソ連の冷戦は知っていたが、ここまでギリギリの状態ということに驚かずにはいられない。
■ストーリー
1962年、米軍偵察機が捉えた衝撃の映像。それはソ連軍がキューバに配備したと思われる、最強の破壊力を持つ核ミサイルの姿だった。迫り来る第三次世界大戦の危機。これに真っ向から立ち向かったのは、米国史上最年少の大統領ジョン・F・ケネディ、司法長官ロバート・ケネディ、そして有能と謳われた大統領補佐官ケネス・オドネル。彼らはいかにしてこの最悪の事態から世界を救ったのか・・・
■感想
ソ連がキューバにミサイルを配備した。その前段階としてアメリカがトルコに対してミサイルを配備したというのがある。アメリカとソ連の覇権争い。お互いが核ミサイルを保持しているため一つ間違えると全面的な核戦争となってしまう。
世論を注視しながらどのように立ち回るかを思案する大統領たち。物語のポイントは米軍の司令官たちが戦争をする気満々だということだ。キューバに侵攻してミサイルを破壊しなければアメリカがミサイルの脅威にさらされるらしい。米軍の幹部たちは戦争へとつきすすみたいようだ。
ケネディは戦争を回避したい。ただ、国としてのメンツも重要だ。折衷案として海上を封鎖してソ連からキューバへのミサイルの持ち込みを防ごうとする。ここでの海上での検閲でもひと悶着ある。ソ連の船が強硬突破してきたら攻撃が必要だ。その攻撃を契機としてミサイルの打ち合いが始まるかもしれない。
相手に攻撃されて怖気づいて何もしなければ、強いアメリカ象が崩れてしまう。キューバ上空を偵察していたアメリカ空軍の戦闘機が攻撃されて撃墜されたとしても、それを隠蔽して戦争を回避しようとする。
アメリカだけでなく、実はソ連も戦争突入への恐怖に包まれていたようだ。結局のところは本当かどうかわからないが、非公式の裏取引でソ連が引くことになる。誰も核戦争など求めていない。米軍の幹部たちだけが前のめりになっていたように描かれている。
戦争に突入した場合、ミサイルが飛んでくるのは数分後ということになる。自分たちは大丈夫でも家族がどうなるのか。とてつもない緊張感で常に決断を迫られるのはアメリカ大統領の責務なのだろう。
ケネディ役の俳優は、事態が解決したあと、一気に歳をとったように見えたのはすばらしい演出だ。
おしらせ
感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp