12人の死にたい子どもたち


 2020.4.2      自殺志願者たちの集い【12人の死にたい子どもたち】

                     
十二人の死にたい子どもたち
評価:2.5

■ヒトコト感想
ネット上で自殺者志願者が集まり、廃病院で自殺を実行しようとする。12人の未成年者たちが集まるのだが、そこに13人目の死体が存在した。なぜ?この人物は誰なのか?12人全員が納得しなければ集団自殺は実行されない。物語は13人目の死体の存在に対するミステリーと、それぞれがどのような理由で自殺しようとするかがメインだ。

未成年独特の考え方で、自殺の理由の多くは不治の病やイジメなどだ。人によってはそんなことで?と思う理由でも当人には死ぬほど苦しいことだ。12人それぞれに強烈なキャラ付けがされており、理路整然と正論を述べる者もいる。ただ、皆が死にたくなるほどの悩みを抱えているのは間違いない。低予算映画的な、ひとつの場所でひたすら議論する作品だ。

■ストーリー
その日、12人の未成年たちが、安楽死を求め廃病院の密室に集まった。「みんなで死ねば、怖くないから」。ところが、彼らはそこで13人目のまだ生あたたかい死体に遭遇。突然の出来事にはばまれる彼らの安楽死。あちこちに残る不自然な犯行の痕跡、次々起こる奇妙な出来事。彼らだけしか知らない計画のはず。まさかこの12人の中に殺人鬼が…?彼らは安心して“死ねるのか”怯えながら“殺されるのか”…。

■感想
ネットで自殺志願者を募り、集団自殺するニュースというのはよくある。集まった者たちはリアルではまったくつながりのない者たちばかり。ネット上でのつながりからそれぞれ事情のある者たちが集まっている。安楽死を求めて廃病院に集まってきた12人の未成年者たち。

いざ、自殺しようとすると目の前には、あるはずのない13人目の死体があった。全員意見が一致した場合にかぎり限り、自殺を決行する。この条件があることで自殺が決行されない。どうしても自殺したい者と、疑問が解けるまで実行したくない者とで言い争いが起こる。

それぞれには事情がある。不治の病で頭をそり上げている者。体に大やけどを負い、生きる希望をなくした者。左手が動かない者や、イジメにあっている者など若者が悩み苦しみを暴露している。自殺するに値する内容かは微妙だが、個人個人の考え方というのが主張されている。

強烈なのは、母親に保険金をかけられて殺されるから、その前に自殺するという男だ。生き残っても、母親の知り合いから殺されるので、その前に自殺してやるという言う。母親に対する憎しみが極端な方向に若者を動かしている。

謎の13人目の死体と、それぞれの思惑が交錯する。そして、議論を続けていくと皆の考え方が変わっていく。廃病院を舞台に若手俳優たちが12人の未成年を演じ、議論する。低予算映画のパターンだ。結局のところ俳優の演技により良し悪しが決まってくる。

特別強烈な大どんでん返しがあるわけではない。自殺するために集まった若者たちは、最後には議論のかぎりを尽くしある結論をだす。強烈なインパクトはないのだが、自殺志願者たちを思いとどまらせるための集いというのがわかると微妙な気がした。

この若手俳優の中から、すでに売れっ子な者を除いて、何人生き残るだろうか。。



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