127時間


 2021.1.19      人間は極限状態に陥ると何でもできてしまう【127時間】

                     
127時間 [ ジェームズ・フランコ ]
評価:3

■ヒトコト感想
頻繁に訪れて庭のような場所となっていたキャニオンで事故が起こる。ラルストンはひとりでキャニオンを散策するのが好きで、ひとりっきりでロッククライミングを楽しんでいたのだが…。ふとしたはずみで落下し運の悪いことに岩に手が挟まって動けなくなってしまう。岩と岩の隙間に入り込んだラルストン。水がなく助けも来ない状態のまま5日間を過ごすのだが…。

ラルストンがそれなりにサバイバル能力があるので、水を節約しながらなんとか脱出できないかと方法を考える。どうしても腕が抜けず脱出できない。幻覚を見はじめ、ついに極限に達したラルストンは…。衝撃的な手段で脱出を試みる。誰も助けがこないまま5日間近くキャニオンで放置されるのはとんでもなく辛い状況だ。

■ストーリー
誰にでも、人生のターニング・ポイントは必ずやってくる。アーロン・ラルストンの場合、それは自分の庭のように慣れ親しんだユタ州、ブルー・ジョン・キャニオンでの出来事だった。金曜の夜、いつものように一人で、ロッククライミングを楽しむため、ブルー・ジョン・キャニオンに向け出発した。だが、運命の瞬間が彼に襲いかかる。落石に右腕を挟まれ、谷底から一歩も動けなくなったのだ。

助けを求める叫び声は無人の荒野にむなしく呑み込まれ、持てる知恵と経験を総動員して岩を撤去しようとするが、ピクリとも動かない。死を目前にして初めて自分の人生と向き合うアーロン。自分勝手に生き、決して心を開かなかった両親にも、友人にも、恋人にも――。衰弱した身体を引き裂くように襲いかかる後悔、そして湧き上がる命への情熱。生きたい。生き直したい――! そして生命の限界を超えた127時間後、遂に彼は〈決断〉する――。

■感想
ラルストンはキャニオンで自由気ままに過ごすのが好きだ。気ままにぶらぶらして、キャニオン初心者を案内したりもする。穴場を見つけて楽しんだり、自由気ままにクライミングしたり。人とほとんど会うことのない広大な敷地で自由を謳歌するラルストン。

若い女の子ふたりをキャニオンの穴場に案内した後、悲劇はおとずれる。クライミング中に落下し岩の隙間に入り込み、さらには腕を挟まれ身動きがとれない状態となる。ラルストンはクライミングに慣れているので、なんとか脱出する手段を見つけ出そうとする。

手近にある機器を整理しビデオカメラで自分の状況を撮影したりもする。ロープを使っての脱出方法や、小さなナイフで腕を挟んでいる岩を削り取ろうとする。ただ、どうやっても腕は抜けない。水がなくなり、幻覚を見始めるラルストン。人は水があれば生きられると言うが、水がなければ死がまっているだけ。

ラルストンが見る幻覚は、明らかに死が近づいた者のそれだ。このまま死を待つのか、それとも腕を切り落として脱出するのか。小さなナイフでは腕を切り落とすことができず、絶望感でいっぱいとなるラルストン。

ひとりっきりで誰もいないキャニオンを探索するのは楽しいのだろう。ひとりで自由を味わうのは良いが、危険が伴う。結局は、ラルストンは衝撃的な方法で脱出に成功する。フラフラのラルストンは同じく家族でキャニオンに探索にきていた者たちに助けられることになる。

脱出した瞬間、泥水をむさぼるように飲むラルストン。人間は極限状態になると、とんでもないことでもやり遂げてしまうのだろう。本作は実話をベースに描かれており、エンディングでは実際のラルストンの姿が登場してくる。

ひとりっきりでのクライミングには危険がつきものだ。



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