闇金ウシジマくん Part2


 2015.11.19      頭のネジがぶっ飛んだ人々 【闇金ウシジマくん Part2】

                     


■ヒトコト感想

前作同様、強烈なダメ人間たちが登場してくる。本作のエピソードについては、原作マンガを読んでいたのでよく知っている。キャストが豪華で、テンポよく進んでいく。さらには、前作を上回るほどのダメ人間たちが登場してくる。少し気になる点としては、滑川のポジションを女が演じているということだ。

ヤクザを恐れる相沢は説得力があるが、いくら凄みをきかせようと、モデル風の女性が相沢を追い込むというのは少し説得力がない。ダメ人間たちが、一部はまっとうな暮らしへと戻っていくのは、唯一の救いかもしれない。このシリーズを見ると、間違いなく闇金に手を出そうなんて思わないだろう。そういった意味では、世間の役に立つ映画だ。

■ストーリー

ギラギラした欲望に衝き動かされた、キャラが立ち過ぎの登場人物たちによる、駆け引きや裏切り、愛憎そして絆。闇金vsヤンキーvs暴走族vs女闇金vs極道vsホストvs風俗嬢vsストーカーvs情報屋、問答無用! ウシジマをめぐる八つ巴の生存競争、サバイバル・バトルが冒頭からラストまでノンストップ!!

■感想
10日で5割の利息がつく金を借りる者たちは、間違いなく頭のネジがぶっ飛んでいる。金が関わると人は際限なく狂っていく。本作では、様々なパターンのダメ人間たちが登場する。単純に闇金から金を借りるダメ人間たちはシンプルだ。資産家の妻に寄生し、ひたすら金を借り続けるダメ亭主。

族のバイクを盗み追い込みをかけられたヤンキー。金融屋に脅された暴走族。No1をとるためにやっきになるホスト。ホストをNo1にするために落ちていく若い女。そして女をストーキングする派遣労働者。すべてがどこか歯車が狂っている。

闇金による借金地獄に陥る者たちには、どこか異常な部分がある。それをわかりやすく描いているのが本作だ。中でも、ホストにはまり最後はAVに出演するまでになった真面目な若い女の末路がすさまじい。ちょっとしたきっかけから、後戻りできない状態になる。

それは、No1をとるためにはなんでもやると意気込むホストも同様だ。どこかが歪で、何かがおかしい。結局のところ誰が一番得をするかというと、闇金だ。本作ではウシジマたちにもそれなりに危機が迫ってくる。が、ウシジマのすさまじい迫力を前にするとすべてが霞んでしまう。

最も哀れなのは族の相沢だ。原作でもそうだが、逃げ場がなく、追い込まれたあげくにとんでもないことをやらかしてしまう。相沢の追い込まれっぷりはすさまじい。人を殺すこともいとわない迫力がある。ただ、そんな相沢からしても、ウシジマは別格らしい。

人の頭に向かって金属バットをフルスイングできる人間なんてそうはいない。ウシジマもまた、頭のネジが飛んでいるのは間違いない。このシリーズを見ると、自分の平和な日常に安心してしまう。闇金の怖さを伝えるには、間違いなくベストな作品だろう。

本作を見て反省するような人は、そもそも闇金に手を出さないだろう。



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