2017.7.17 超長距離からの一撃 【山猫は眠らない5】
山猫は眠らない5 反逆の銃痕 [ トム・ベレンジャー ]
評価:3
■ヒトコト感想
山猫は眠らないシリーズの第5弾。スナイパー同士の緊迫した対決が描かれている。このシリーズは序盤に緊迫感あふれる展開がある。謎の敵の存在から、凄腕のスナイパーによる射撃。その後、ブランドン・ペケットの活躍ぶりが描かれる。本シリーズの見どころは、間違いなく緊迫した射撃シーンだ。
長距離から一発で相手を仕留める。作戦決行までの緊迫感と、激しい銃撃戦は見どころ満載だ。ただ、その後、敵の正体がはっきりすると、単純なアクションとなりテンションは下がってしまう。ブランドン・ペケットと伝説である父親の存在。スマホで遠隔操作する射撃装置を駆使して相対する敵の存在は、謎めいていて恐ろしい。
■ストーリー
あの男が、帰ってきた――南フロリダ、ロンドン、ベルリン、ローマ――世界各地で米軍士官が暗殺される事件が勃発。現場の状況から、犯人は相当腕の立つ狙撃手であると判明した。被害者の共通点は過去に“とある作戦"に参加していたことで、その中には伝説的狙撃手トーマス・ベケットの名前も…。
父の死を知らされたブランドン・ベケット一等軍曹は事件の真相を突き止めるべく、犯人の次なる標的であるショープ少佐が任務に就いているシリア北西部へ向かう。そこでブランドンを待ち受けていたものは、想像を絶する過酷な戦いと、予期せぬ人物との再会だった。
■感想
過去の作戦に恨みをもつスナイパーが復讐のため作戦を指揮した幹部たちを長距離射撃で殺していく。この殺し方がシリーズ独特というか、長距離射撃で殺すのだが、本作では新しさが付け加えられている。スマホで制御し遠隔地から相手を狙撃する。
スマホ画面はまるでゲームのように映像が映り、スコープを合わせて発射するとターゲットを打ち殺す。まさにゲームの世界だ。シリーズ毎に敵は新しくなっていく。ペケットが対決する相手は、常に最新機器を使っての対決となっている。
ブランドン・ペケットの登場シーンは相変わらずかっこよい。テロ組織に対して長距離射撃で対象を殲滅しようとする。小高い丘から草むらに紛れ、ひたすら動かずに相手が来るのを待つ。そこから、長距離射撃が始まると、敵は右往左往し始める。
相手が逃げ惑ったとしても、スナイパーは一発で仕留めてしまう。車で逃走しようとしても、射撃する。一発で仕留めるかっこよさが強烈に描かれているのだが、その緊迫感が崩れるのは、単純な銃撃戦になった時だ。
序盤から中盤にかけての緊迫感あふれる展開はすばらしい。それが、敵の正体がはっきりすると、そこからちょっとテンションが下がってしまう。狙撃の緊迫感というのは下がる。その先に、より緊迫感溢れる展開があれば良いのだが…。
結局のところ最初の一発の緊張感を超えることはできない。動き回りながらバチバチ打ち合うのはスナイパーらしくない。伝説の狙撃手トーマス・ペケットが、すべて美味しいところをもっていった感じだろう。
最初の一発がやはりすべてなのだろう。
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