ヤクザガール 二代目は10歳


 2015.11.6      10歳とは思えないオーラ 【ヤクザガール 二代目は10歳】

                     


■ヒトコト感想

ロシア人がイメージする日本はこんな感じなのか、と思わされる作品だ。ロシアを舞台にしたヤクザ映画?なのだが、ロシア映画を見たのは初めてなので、その独特な雰囲気が強く印象に残っている。暴力団組長の孫娘であるユリコは、抗争から身を隠すためにロシアへと送られる。そこで、敵対組織の中田組から狙われることになる。

ロシアで偶然ユリコと知り合った青年リョーハとユリコの逃避行が始まる。ところどころにロシアらしさがあふれている。ヤクザの組長のステレオタイプなヤクザっぷりや、腹切りに刀で戦うヤクザなど、わかりやすい展開が多々ある。ロシア人が想像するわかりやすい日本人のイメージはこうなのだろう。リョーハとユリコの交流に妙な暖かさがある。

■ストーリー

クマのヌイグルミを抱いた可憐な少女ユリコ。暴力団組長の孫娘として育った彼女は、身辺に危機迫る祖父のすすめで海外留学へ。ところが敵対組織・中田組の配下に追われ、ひとりロシアの街に飛び出した彼女は、途中海辺で倒れていたロシア人青年・リョーハを助けたことから、一緒に逃げることに。敵と味方が入り乱れた和洋折衷、摩訶不思議なバトル・ロワイヤルが黒海沿岸に展開する!

■感想
可憐で可愛らしい10歳の少女ユリコ。祖父がヤクザの組長で超強面。ヤクザ同士の抗争を避けるために、ロシアへと送られるユリコ。そこで敵対組織に襲われ、行方不明となる。ユリコがいつのまにかロシア語がペラペラであったり、まわりがあっさりとユリコを助けたりと、多少都合の良い部分が目立つ。

ロシア独特の風習というか、流れというのは興味がわいてくる。刑務所を脱走したリョーハが偶然通りがかったユリコに助けられたために、ふたりの逃避行が始まる。ユリコの強い視線は強く印象に残っている。

ユリコの祖父であるヤクザの組長が強烈だ。孫命で、孫のためなら何を失っても構わない。ユリコを見つけ出すために、莫大な懸賞金をかけたことで、金目当てのロシア人たちから追われることになるユリコ。敵対組織と、金目当てのロシア人たちに追われるリョーハとユリコ。

二人の行動は、どこかコミカルであり、日本人に対する間違ったイメージがあちこちにちりばめられている。特にヤクザの描写は強烈だ。切腹するのがあたりまえであり、刀で相手を倒すのもあたりまえ。日本人像がちょっと間違っているのが面白い。

ロシア青年とユリコの関係が、危険を切り抜けてきた同士という感じなのだろう。恋人ではない。ユリコ役の子役が強烈な目力を持っており、他のどの俳優たちよりも際立った存在感を示している。対してロシア俳優たちは、それなりに有名どころが出演しているようだが、ユリコにすべて食われたような感じだ。

ヤクザの親分や敵対組織のヒットマンにしても、日本の有名俳優だが、ユリコのインパクトには勝てない。この子役を選んだことで、ある程度本作の成功は約束されたといっても過言ではない。

10歳とは思えない強いオーラがある。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp