やじきた道中 てれすこ


 2017.3.20      良い人すぎるやじきた 【やじきた道中 てれすこ】

                     
【送料無料】やじきた道中 てれすこ〜花のお江戸版〜(通常版)】
評価:2.5

■ヒトコト感想
やじさん、きたさんでおなじみのやじきた珍道中を描いた作品。やじきたに加えて、やじを騙して足抜けした花魁が旅に参加する。花魁とやじきた三人の旅はユーモアに満ちている。宿泊した隣の部屋で、侍が妻のしゃれこうべに対して念仏を唱えたり、腹が減った三人の目の前に捕まった狸がおり、狸鍋にしようとしたり。

最後には、花魁のお喜乃の父親が病気ということで三人は旅をしていたが、実はぴんぴんしていたなど。その都度、面白エピソードが登場してくる。基本的にはほのぼのユーモア作品なので、見ていてニヤリとしてしまう。やじさんの軽妙な語り口と、きたさんが突然に暴れ出したり。お喜乃の威勢の良いしゃべりなど、やじきた珍道中の面白さが凝縮されている。

■ストーリー
江戸は品川の女郎屋「島崎」で、売れっ子花魁・お喜乃(小泉今日子)が、自分に思いを寄せる新粉細工職人・弥次郎兵衛(中村勘三郎)に言い寄り、足抜けの画策をしていた。人のいい弥次さんは惚れた女の頼みとあって二つ返事で聞き入れる。と、その時、部屋の窓外に首をくくろうとしている男が?!なんと弥次さんと幼馴染みの喜多八(柄本明)だった!

売れない歌舞伎役者の喜多さんは、舞台で大失態を演じてしまい、生きる気力を無くしていたのだ。思わぬ形で再会した幼馴染みの弥次さん喜多さん。知恵を絞ってお喜乃の足抜けを手伝い江戸を脱出。こうして三人の珍道中が始まるが…。

■感想
売れっ子花魁のお喜乃に騙され足抜きとして利用されたやじさん。役者として大失敗し首をつろうとして偶然やじさんと再会するきたさん。思わぬ形で集合した三人は、お喜乃の父親を見舞うために旅にでる。やじきた珍道中の定番として、様々な面白アクシデントがある。

タイトルにある「てれすこ」は、最後にちょっと絡む程度で、奇妙な生物てれすこが話題になった時代にやじきたが旅をするという物語だ。やじさんもきたさんも人が良い。そのため、あっさりと騙されたりする。それが面白さの肝だ。

やじさんたちが宿泊する隣の部屋で、侍が妻と酒盛りをしている。別のタイミングでやじさんが隣を覗いたときには、侍はしゃれこうべに向かい念仏を唱えている。驚いたやじさんは侍に話を聞くのだが…。妻を弔うための旅。

やじさんが見たのは妻の幽霊なのか?これがやじさんを騙すための侍の策略で、やじさんから小銭をかすめ取ってしまう。一方のきたさんは、坂場で自分が失態を演じた芝居についての話がでると、意気消沈するのだが、酒癖が極端に悪いために暴れだし男たちをばったばったとなぎ倒してしまう。

基本的にやじきたは良い人物だ。相手が可愛そうな状況にあるとわかると同情し金を渡したり、狸鍋にされそうな狸を見つけると、それを逃がしてあげたり。良いこともあれば、悪いこともある。お喜乃が底なし沼にはまりこんで死んだと思い込み、葬儀まで開いてしまう。

やじきたのドタバタとお喜乃の威勢の良い話っぷりが物語のアクセントとなっている。やじさんはお喜乃に惚れているっぽいのだが、そう見せないように振る舞い、お喜乃もやじさんのことが気になるが強がりを言ってしまう。定番的流れだが良い。

やじきた珍道中は様々な作品になっているが、オーソドックスなタイプだ。



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