2015.3.14 9人の女たちの物語 【美しい人】
■ヒトコト感想
9人のハリウッド女優を主役としたオムニバス。それぞれの物語が10分程度なので、基本的には一場面で物語は終わっている。そのため、物語の細かな内容は会話とシチュエーションで想像するしかない。感覚的には、良いところで終わっている、もしくは、これから面白くなりそうだ、というところで終わっている。女性が主人公で、女性の喜びや悲しみについて描かれている。
女性の微妙な心理を反映しているのか、かなり世間の評価は高い。自分の場合、何が面白いのかよくわからないというのが正直なところだ。そして、全体の印象としては、女性は扱いずらいというのが正直な感想かもしれない。いくつかの物語でヒステリックに怒りを表現する女性がいたが…。かなりうんざりしてしまった。
■ストーリー
娘との面会を心の支えにしている刑務所に服役している女性、かつての恋人と偶然再会し、告白される妊婦、父親に愛されなかったトラウマに苦しむ家出娘、心がすれ違い、傷つけ合う夫婦、冷めた関係の両親の心をつなぐ愛娘など、女性をめぐる9つのエピソードでつづられたオムニバス。
9人のアメリカを代表する女優陣による、9つの美しき物語。傷ついた宝石が、そこにより光をためて輝きを増すように、どんな人生の傷をも受容する彼女たちは、女優としてもさらに光輝く――。
■感想
最も印象深く面白いと感じたのは第三話の「ホリー」だ。父親との確執から家を出たホリーが突然帰ってくる。幸せな時を思いだしながら妹と会話をし、父親が帰ってくると…。他の物語が女性ならではの物語であるならば、本作は性別はあまり関係ないように思えた。
怒りや悲しみが入り混じる表情をするホリー。子供のころの楽しかった思い出と共に、苦しい思い出も蘇る。ホリーが突然家に帰ってきた理由が最後の最後にわかるのが、悲しくもあり皮肉な物語だ。
第八話の「カミール」は、女性にしか感じ取れない物語だ。乳房を切除する手術直前のカミールは、夫や看護師たちにあたりちらすのだが…。乳房を失うことへの不安と悲しみが怒りの気持ちとなり周囲にあたりちらす。夫はそんなカミールにやさしく声をかける。
カミールのやりきれない気持ちはわかるが、それはしょせん男目線なのだろう。カミールに難癖つけられて叫ばれる夫がかわいそうとすら思えてしまう。そこまで周囲に怒りをふりまく必要があるのか?とすら思い、少しイラっとしてしまった。
第四話の「ソニア」は衝撃的だ。友人夫婦の家に招かれたソニアと夫。突然、夫が夫婦の秘密を話だす。友人関係と言っても、親友というわけではない。どこかよそよそしい雰囲気の中、ちょっとしたパーティーが始まり、そこで夫の告白が始まる。
他人に聞かせるべきではない夫婦の秘密。とりわけ、妻からすると辛いことをズゲズゲと言う夫に対する軽蔑と怒りの気持ちが画面から吹き出ている。それまでのソニアの幸せそうな表情から激変するのが面白い。怒りや悲しみを必死に抑える表情が見どころだろう。
どちらかと言えば、不幸な境遇の話が多いのも特徴かもしれない。
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