超高速!参勤交代


 2017.1.5      金がなければ知恵をだせ 【超高速!参勤交代】

                     


■ヒトコト感想
金山が出たという噂により、幕府に目を付けられ、5日以内の参勤交代を命じられる物語。藩主の内藤がさわやかで思いっきりの良い性格のため、すべてが前向きで希望に満ちている。どんな無理難題を突きつけられたとしても、「知恵をだせ」という一言で済ませてしまう。

通常ならば大変な準備と費用がかかるところを、5日で参勤する。そのために体を身軽にし、必要最小限の精鋭たちだけで小走りに参勤へ向かう。そして行く先々で共の者を現地調達し、大名行列に見せる。少ない人数で知恵と勇気をふり絞り、超高速で参勤する。途中、さまざまなアクシデントや妨害がありつつ、ボロボロになりながら参勤してしまう。ラストの場面は、すばらしいさわやかさに満ちている

■ストーリー
江戸期、八代将軍・徳川吉宗の時代。1万5千石の小藩・磐城国湯長谷藩に存在するという金山略奪を狙い、江戸幕府が無理難題を吹っ掛ける。「5日以内に参勤交代しなければ、藩を取り潰す! 」。金も時間もない湯長谷藩。参勤交代を果たし、無事に藩を守ることができるのか?!

通常ならば、準備に半年、8日はかかる道のり・・・しかも貯えも尽きている。しかしこの命令に従わなければ藩はお取り潰しに! 藩主・内藤政醇は、忍び雲隠段蔵を道先案内役として雇い、家臣の精鋭6名を引き連れ、道中人のいないところでは山道を駆け抜ける奇想天外な作戦にでる。

■感想
田舎大名の元に金山が出たという噂が立つ。そこで幕府は金山の略奪を目的として5日以内での参勤を言い渡す。参勤交代の制度は、地方の大名に金を使わせて謀反を起こさせないようにするためだ。貧乏大名に5日での参勤は、普通であれば無理だが、藩主の内藤は「金がないなら知恵をだせ」と言う。

無茶なスケジュールでの上司の仕事の命令は良くある。それを拒否するのではなく、知恵を絞って解決するという、なんだか現代にも通じるような心構えだ。多少のユーモアを含めながらの強行参勤行はすさまじい。

少数の精鋭たちと大名だけで参勤へ向かう。剣の腕がたつ一騎当千の者たちも、参勤行で身軽にすすむため刀を竹光へと変える。行く先々で共の者を現地調達し、いかにもな大名行列を作り上げる。そして、また次の町へと移動し、そこでも即席の大名行列を作る。

人数が足りなければ、先頭の者たちがすかさず後ろに回り長大な大名行列に見せかける。知恵を絞り様々な協力者の元で無事参勤を成功させられるかと思いきや…。さまざまな妨害により大名と共の者たちが離れ離れになる。絶体絶命の状態からの起死回生はすさまじいすっきり感がある。

本作には続編があるらしい。貧乏大名ではあるが、さわやかで男気があり、決断力もありユーモアもある。この内藤のキャラクターがすこぶる良い。知恵を絞って無理難題に対応する家来たちの奮闘ぶりもまた、本作の面白ポイントのひとつだろう。

悪役は悪役らしいからこそ、内藤のすばらしさが生きる。むちゃくちゃな参勤交代ではあるが、内藤たちの必死な参勤行に心打たれ、自然と味方する者たちも多数でてくる。忍びの雲隠段蔵の強さも、内藤たちの参勤を成功させた重要な要素なのだろう。

内藤と家来たちのさわやかさが面白さの肝だ。



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