ツレがうつになりまして


 2015.2.3      うつを正面から描いた作品 【ツレがうつになりまして】

                     


■ヒトコト感想

うつは身近になり、それなりに世間の認識もある。ただ、どうしてもうつになるのは弱い人というイメージは付きまとう。本作では絵に書いたようにマジメなサラリーマンがうつとなり、妻と共にうつと向き合っていく物語だ。結婚5年目でツレがうつとなる。まず最初にツレの仕事の過酷さが描かれている。

コールセンターの対応というのは辛いらしい。過去、そのあたりを描いた小説を読んだことがある。会社を辞めることで、うつが回復するかというとそうではない。ツレとその妻との生活が、そこまで深刻ではないが、割とシリアスに描かれている。うつは誰にでも起きる。が、周りの理解がそれなりにあれば、うつを克服できるのだろう。

■ストーリー

仕事をバリバリこなすサラリーマンの夫、通称ツレ(堺雅人)が、ある日突然、心因性うつ病だと診断される。結婚5年目でありながら、ツレの変化にまったく気付かなかった妻・晴子(宮﨑あおい)は、妻としての自分を反省する一方、うつ病の原因が会社にあったことからツレに退職を迫る。会社を辞めたツレは除々に体調を回復させていくが…。

■感想
ある日突然サラリーマンの夫がうつになる。心因性のうつで会社に行くことができない。原作マンガはチラっと読んだことはある。絵柄はコミカルだが、やはり内容はツレのうつを赤裸々に描いている。多少ギャグをちりばめているので、それなりに面白く読めるが深刻なのは確かだ。

うつとはどんな病気なのか。一般人にそれなりに認知されているからこそ、本作が脚光を浴びたのだろう。夫がうつの場合は、どのような態度で日々生活しなければならないのか。知られざるうつの世界がここにある。

うつというと、どうしても弱い人間がかかると思われがちだが、誰でもなる可能性があるらしい。気分が落ち込み、食欲がなくなる。作中のツレを堺雅人が演じているのだが、神経質そうな表情がいかにもうつになりそうで良い。

気分がとんでもなく落ち込んだかと思うと、薬の力で突然ハイテンションとなる。うつが怖いのは、本人が死にたいと思ってしまうことだ。どんなに手厚く周りがサポートしたとしても、本人がどう感じるかによって、その後の運命は変わってくる。

本作を見ると、うつの辛さはよくわかる。が、奥さんが漫画家として稼げばなんとかなるだろう、だとか、講演などを行うことで稼げるのだろう、なんてことを考えてしまう。やはり一家の大黒柱がうつになるというと、一番の問題はお金だろう。

病気に焦点があてられてはいるが、具体的な家の収入のことはそこまでつっこんで描かれていない。子供がいないからまだ良いのだろうか。うつをちょっとコミカルに正面から描いた作品ということで画期的なのだろう。

コールセンター業務とは、そこまで辛い仕事なのだろうか。



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