トラブル・イン・ハリウッド


 2017.9.6      髭を剃らないブルースウィルス 【トラブル・イン・ハリウッド】

                     
トラブル・イン・ハリウッド [ ロバート・デ・ニーロ ]
評価:3

■ヒトコト感想
ハリウッドの映画業界の複雑さというか、困難さが描かれている。本来なら文句を言う側のはずのロバート・デ・ニーロが、敏腕映画プロデューサ役となり俳優や出資者たちの間に挟まれる形で苦悩する作品だ。どんな業界もプロデューサーほど怪しげな職業はない。何かを作りだしたり資金を出資するわけではない。調整役として存在し、トラブルが起こるとその存在が重要となる。

本人役としてブルース・ウィルスやショーン・ペンが出演し、プロデューサに無理難題をたたきつける。強烈なのはエキセントリックな映画監督と、実利を第一に考えるオーナーの間に挟まれたパターンだ。監督をなだめ方針を変えさせ、オーナーには監督を説得すると言う。非常に胃が痛くなる立場だ。

■ストーリー
映画再編集を命じる映画会社社長と監督との板ばさみ、わがままな俳優の説得、プライベートでは元妻と娘との関係に頭を悩ませる、敏腕映画プロデューサーのベンに次々と降りかかるトラブルを描いたロバート・デニーロ主演のハリウッド内幕シニカル・コメディ。本人役でブルース・ウィリス、ショーン・ペンが出演。

■感想
ハリウッドの映画プロデューサというとかなり華やかなイメージがある。実際には調整役に徹しており、表面上は華やかでも裏では泥臭い調整仕事をひたすら続けるしかない。芸術家肌の監督が特殊なオチの映画を作り上げる。本人はそれがベストで人生をかけた映画だと熱弁するのだが…。

周りは白けた雰囲気となり興業的にも成功は見込めない。となると、なんとかして監督にラストシーンを変更させるしかない。このあたりプロデューサの腕の見せどころなのだろう。オーナーはプロデューサにすべてをゆだねている。

あらゆるトラブルを調整するのがプロデューサの役目だ。そのため、携帯を手放すことはできない。そのことが原因となり夫婦は別居してしまう。電話で仕事相手と会話しながら、不機嫌な妻をなだめるが、妻からはあきれられ浮気されてしまう始末。

本人がプロデューサという仕事にやる気を持ち、ハリウッドで立場を上げることに力を注いでいる。ただ、そのもくろみ通りにいくかはわからない。中間管理職的な立場であるために、アチコチに良い顔をしなければならない、非常に辛い立場だ。

ブルース・ウィルスが髭を剃らないというのが笑えた。プロデューサとしては、なんとしてでも髭を剃らせなければならない。プルース・ウィルスに髭を剃るように言うと激怒する。そこまでこだわりがあったのか、というヒトコトが強烈に面白い。

ラストシーンを変更する約束をした監督が、謀反を起しとんでもない事態となる。一度の失敗でプロデューサの立場は大きく変わってしまう。何より一番プロデューサに文句を言いそうなロバート・デ・ニーロが、プロデューサ役として調整に右往左往するというのが最も面白い部分だろう。

ハリウッド映画業界の中間管理職の辛さといったところか。



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