東京家族


 2016.6.14      離れて暮らす両親を思い出す 【東京家族】

                     
東京家族 【DVD】

■ヒトコト感想
見る人の立場により、かなり印象が変わる作品だ。親は田舎で暮らし子供たちは皆東京で家族をもち暮らす。子供たちの元へ両親が遊びにやってくる。そこで様々な騒動が起こり、母親があっけなく死んでしまう。親と子の微妙な関係と、子供たちは子供たちで東京を基盤として家族が成立している現実。親は田舎に住んでもらいたかったのだが…。

なんだか身につまされる思いで見た。親は常に子供の幸せを願っているのだと分かる。母親が死に、父親ひとりとなった時の、父親の身の振り方を相談する場面は誰でも直面する可能性のある場面だ。ある場面では妙に涙腺を刺激され、思わず涙がこぼれそうになってしまった。家族をもち、親と離れて生活している人には誰でも当てはまる作品だ。

■ストーリー

2012年5月、瀬戸内海の小島で暮らす平山周吉と妻のとみこは、子供たちに会うために東京へやってきた。郊外で開業医を営む長男の幸一の家に、美容院を経営する長女の滋子、舞台美術の仕事をしている次男の昌次も集まり、家族は久しぶりに顔を合わせる。最初は互いを思いやるが、のんびりした生活を送ってきた両親と、都会で生きる子供たちとでは生活のリズムが違いすぎて、少しずつ溝ができていく。

■感想
瀬戸内海の小島で暮らす両親が東京へやってきた。東京見物や、孫たちと遊ぶのを楽しんだのは最初だけ。次第に東京のアクセクとした流れに疲れがでてくる。田舎の両親が東京へ来たとき、どうやってもてなすのか。なんだか妙に親近感のわく内容だ。

さらには、登場してくる東京の家庭が一昔前の家だというのが良い。今風のタワーマンションやワンルームマンションではない。一軒家でひと部屋が狭く、物があふれてごちゃごちゃしている。決して都会的な内装ではないが、東京の家庭としての描かれ方をしている。

子供たちと両親の交流が涙を誘う場面となる。特に母親と次男の交流は強烈だ。次男は結婚を考えている女性がおり、その子を母親に紹介する。その後のやりとりと、母親の嬉しそうな表情は強烈なインパクトがある。

そして、うれしいニュースを父親に伝える前に、突然倒れてしまう母親。さらには、あっけなくこの世を去ってしまう母親。その時の父親のなんとも言えないつぶやきが印象的だ。死を意識する年齢とはいえ、突然の出来事に誰もがショックを受けるのは当然のことだろう。

両親と離れて暮らす人ならば、誰もがイメージすることがある。それは両親のうちどちらかが死んだ時に、残されたひとりはどうするのか。東京へ呼び寄せるのか、それとも…。ひとりで生活すると言う父親に対して、子供たちはどうするのか。

自分に置き換えると、悩んでしまう。答えは永遠にでない。そして、その問題を今はとりあえず考えないことにしている。どこにでもある当たり前の家族だが、リアルであるだけに感情移入して泣けてしまう。

30代、40代の人には心に響くものがあるだろう。



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