2015.4.11 妻を脱獄させる主人公 【スリーデイズ】
■ヒトコト感想
妻のララが殺人の容疑で逮捕される。無実と信じる夫のジョンは、ララを脱獄させようとする。王道を外れた作品であることは間違いない。主人公たちに脱獄させ、それが正解のように描くのは、かなりのフォローが必要だったようで、あちこちにフォローがちりばめられている。ララが無実かわからない序盤。裁判でも負け、収監されるララ。
ジョンが正当な手続きでララを助けだそうとすることを諦めるのがすごい。そして、脱獄を考え、それをやりきってしまうジョンはすごい。このパターンで、最後まで逃亡が成功するというのはなかなかないパターンだろう。すべてを正当化し、最後は無理やりにでもララは無実だったというオチとする。無実ならば、脱獄もOKというわけではないのだが…。
■ストーリー
愛する妻子とともに、幸せな毎日を過ごしていた大学教授のジョン。しかしある朝、彼の家に警察が侵入、殺人の容疑で妻のララは逮捕されてしまう。それから3年。ジョンは一人で息子を育てながら、妻の無実を証明するため懸命に奔走していた。しかし、裁判では彼女に不利な証拠が提出され、覆ることなく遂に殺人罪は確定。絶望し、獄中で自殺未遂を起こした妻をみてジョンはある決断を下す。
「彼女の人生と家族の幸せを取り戻す」それは命を懸けた決断だった。ジョンは生活の全てを犠牲にし、孤独や恐怖にさいなまれながら、綿密な脱獄計画を練り上げていく。チャンスは1度。ララ移送までのわずか3日。
■感想
ララの人生を取り戻すため、ララを脱獄させることを決断するジョン。母親が犯罪者となると、その家族は崩壊したも同然。裁判で逆転する望みもなくなると、人はとんでもない行動を選択する。親や友達と永遠に別れ、まったく別人として家族と共にどこかで生活することを選択するその気持ちがまずわからない。
犯罪を犯し、常に怯える生活をしてでもララを取り戻したかったということだろう。脱獄することを、強引に正当化している本作。このパターンの作品は今までに見たことがないだけに、どのような結末になるのか非常に楽しみに見ることができた。
ララを脱獄させるためにジョンは様々な準備に追われることになる。圧巻なのは、偽造の身分証明書の作成を依頼したマフィアと激しい銃撃戦を繰り返すところだ。相手が悪人であれば、まるで殺すことも良しとするような流れ。その後の、脱獄劇にしても、普通に考えれば脱獄は成功するはずがない。
ハラハラドキドキのジョンたちの脱獄劇。検問を突破する際のドキドキ感はすさまじい。ひとつの関門を越えたとしても、その先には新たな関門が待っている。残されたジョンの両親たちの気持ちを思うと、やりきれない思いが残るのは確かだ。
全てを犠牲にしてララと息子と新たな生活へと向かうジョン。結局のところまんまんと脱獄に成功している。脱獄された警察としては、怒りの思いで一杯のはずだが…。そこでひとりの刑事がララの事件の新たな証拠を探し出そうとする。ここで、とってつけたようにララの無実の証拠が見つかるのか…。
ただ、たとえ無実だと判明したとしても、脱獄したという罪が許されるわけではない。本作ではそんなことは無視して、あくまでもジョンとララは正しかったという流れにしたいようだ。
この強引なパターンはいろいろな意見がでそうだが、新鮮で良い。
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