ザ・ウォーカー


 2017.2.23      探し求める本の中身は衝撃的だ 【ザ・ウォーカー】

                     
評価:3.5

■ヒトコト感想
戦争により崩壊した世界が舞台の物語だ。まるで北斗の拳のような世界だ。戦争前の物資が貴重であり、シャンプーやせっけんが超高級品となる。弁当についてくる小さなおしぼりですら物々交換の品となる。そんな世界でひたすら西を目指す男がいた。大きな刀を振り回し、圧倒的な強さで荒くれ者たちを排除するウォーカー。

序盤ではウォーカーの目的ははっきりしない。多数の盗賊たちを従え、王国を作り上げたカーネギーが本を探しており、その本をウォーカーが持っていると判明する。本が聖書だというのは早いうちに想定できる。本をめぐる争いの結末はわりと衝撃的だ。本の内容が聖書だと分かっていながら、最後に本で驚かすというのはすばらしい。

■ストーリー
大規模な戦争により、文明が崩壊した世界。誰が名づけたか“ウォーカー"と呼ばれるその男は、30年間、世界でたった1冊だけ残る“本"を運び、<西>へと旅を続けている。本を守るため、行く手を阻む敵は容赦なく殺す。

彼の目的地はどこなのか?その本には何が記されているのか?一方、大勢の盗賊たちを率い、王国に君臨する独裁者カーネギーは、世界を支配するためにどうしても必要なその本を手に入れるため、旅を続ける“ウォーカー"の前に立ちはだかる。砂塵渦巻く荒野を舞台に、世界を揺るがす一冊の本をめぐる壮絶な死闘が開始された―!

■感想
荒廃した世界。物資や水が貴重で、戦争後には新たな物資は製造できない状態となる。そのため、人の肉を喰って生きながらえたりもする。小さな町では物々交換により生活が成り立ち、水さえも貴重な品となる。

ウォーカーはどこかで見つけてきたiPhoneのようなもので音楽を聴く。バッテリーがなくなると町で充電を頼む。そこで物々交換として毛布だとかおしぼりなどを渡す。なんだか原始的だが、荒廃した世界というのが良く表現されている。

ウォーカーはとてつもない強さと容赦ない残虐性をもっている。襲ってくる荒くれ者たちを躊躇なく剣で殺す。もはや世紀末救世主伝説の世界だ。王国を築きあげたカーネギーがある本を探し求め、盗賊たちを使い方々を調査させる。

ウォーカーが持つ本が、カーネギーの目的の本であり、それが聖書であることは早いうちに判明する。そこから、カーネギーとウォーカーの本をめぐる戦いが始まる。圧倒的な戦力でウォーカーに襲いかかるカーネギー。それをウォーカーは弾き返してしまう。

結局のところウォーカーは聖書をカーネギーに奪われてしまう。ひたすら西へと向かうウォーカーの目的ははっきりしている。本を手に入れたカーネギーは、喜び勇んで本を読もうとするのだが…。本の中身がバレている段階で、ラストで本を開いたときに驚きのネタを用意しているのがすばらしい。

単純に物がない荒廃した世界で、貴重な聖書を奪い合っていただけではない。カーネギーがせっかく手にいれた聖書が読めず、周りから人が離れていくというオチも良い。

荒廃した世界の雰囲気がすばらしい。



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