2016.7.2 情報源の秘密は必ず守る 【ザ・クリミナル 合衆国の陰謀】
ザ・クリミナル 合衆国の陰謀 / 洋画
■ヒトコト感想
緊迫感あふれる良作だ。国とジャーナリストの戦い。CIAのスパイの情報をあるルートから入手したレイチェルは、大統領暗殺計画に関連する暴露記事を書く。そこからレイチェルの周辺が様変わりする。政府からは情報提供者を教えるよう訴えられ、レイチェルはジャーナリストの使命として絶対に情報原は明かさない。
この対立がエスカレートし、レイチェルは拘置所に入れられることになる。政府の横暴を阻止しようと新聞社の法務部やレイチェルの上司、そして弁護士たちが必死にレイチェルを守ろうとするのだが…。ひとりの記者が、情報源の秘密を守るために何年もの期間、拘留されることになる。非常にショッキングなのだが、現実に起こりうることなので衝撃的だ。
■ストーリー
大統領暗殺未遂事件をめぐる陰謀を描くサスペンス。ジャーナリストのレイチェルはあるルートから情報を入手し、大統領暗殺計画に関わるCIAスパイの身元を暴露する記事を書いた。政府への情報提供を求められる彼女はその申し出を頑なに拒むが…。
■感想
ジャーナリストは決して情報原を明かしてはならない。それは、一度情報原を明かしてしまうと、次からはどのような相手もその新聞社や人物に情報を明かさなくなる。政府の暗部を告発すべき監視役でもあるマスコミを、政府がコントロールする世の中は健全ではない。
世論はそれに気づきながらも国家を転覆させようとすることは罪だとレイチェルに迫る。情報原を明かさないことがそのまま法廷侮辱罪となるのは、かなり強引に思えた。作中での検事は非常に淡々としてはいるが、嫌らしい感じがすばらしい。
拘留されたため、子供に会えないレイチェル。ジャーナリストとしての主義を守るのか、それともレイチェル個人としての幸せを考えるのか。誰もが個人に流れがちだが、レイチェルは子供に会えないことや、夫が浮気していることにも目をつむり自分の主義を貫く。
親身になる弁護士やレイチェルの上司たち。政府の横暴は見ていて腹が立つ。判事がいったんは良心的な案を提示し、レイチェルを解放したかに思えたが、そこでも検事の横やりが入る。強烈な怒りを感じる場面だ。
ラストではレイチェルの情報原が明らかとなる。が、かなり衝撃的だ。レイチェルがかたくなに情報原を明かさない理由はよくわかる。ただ、レイチェルが早い段階で情報原をはっきりさせていたなら、様々な不幸な現実は起こらなかったのでは?と思わずにはいられない。
地味な内容だが脚本が優れており、検事との駆け引きはドラマチックな要素がある。レイチェルがひたすらジャーナリストとしての使命を守り続けることと、政府が容赦なくその権力を行使するその対比が非常に良い。
スリリングなサスペンスとなっている。
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