テッド


 2015.10.20      ちょっと離れた位置で見ていたい 【テッド】

                     


■ヒトコト感想

見て目はふかふかで可愛らしいテディベアのぬいぐるみだが、中身は下品なおっさん。この見た目とのギャップが最高に面白い。酒を片手にエロいことを口走る。そして、エロそうな女性を口説く。ぬいぐるみが女性を口説いてどうするの?だとか、酒を飲んで酒はどこにいくの?なんてこを考えてはならない。

テッドの持ち主であるジョンとテッドのコンビは最高なのだが、こと恋愛となると、テッドは邪魔者でしかない。むちゃくちゃ仲の良い男の親友と、彼女との間で揺れる男と言う図式が正しいのかもしれない。ただ、その親友がぬいぐるみであり、普通よりも下品というだけだ。各方面からクレームがこないか心配になるほどのパロディ具合がまた面白い。

■ストーリー

下品な中年オヤジに成長したテディベア・テッドと大人になりきれないダメ男の友情を描いたコメディ。35歳のジョンは、ぬいぐるみのテッドと暮らしていたが…。ジョンは人生二度目の奇跡に遭遇していた。超イケてる彼女ロリーをゲットしてしまったのだ。だが、彼女はジョンがいつまでもテッドと自堕落な生活を続けているのが気に入らない。

悩んだ末、ジョンやはりロリーとの将来を選ぶことにした。テッドと別れてロリーと暮らす決意を告げると、テッドはスーパーマーケットに就職し、さっそく同僚の美人女性店員をナンパしたりして、けっこうよろしくやっている。これでよかったのだ。ジョンもテッドも大人の階段を一歩上った……はずだったが、ある日、事件が起きてしまう・・・。

■感想
意志を持ち話すことができるぬいぐるみのテッド。見て目は可愛らしい表情のぬいぐるみで、おなかを押すと「だいちゅき」という可愛い声が鳴る。だが、中身はおっさんだ。35歳のジョンとテッドは親友であり、くだらないことを話す仲間でもある。

趣味が近く、気が合い、そして腐れ縁。そんな二人の仲に割り込むように美しい女性のロリーが登場してくる。ジョンとロリーとテッドの関係は、ロリーからすると、恋人との関係を邪魔する邪魔者でしかない。ふたりは幾度となくテッドのことで喧嘩をしてしまう。

テッドが最高だ。エロい女性が大好きで、ナンパしまくる。部屋に女性を集めてパーティをする。まるで中年おやじのようなギャグを連発し、あげくの果てには…。こう書くと最悪な人形のように思えるが、見た目がテディベアなので、妙な哀愁がただよっている。

手足が短いが素早く動く。そのコミカルな動きに思わず癒されたかと思うと、下品な言葉を吐く。秀逸なのは、ジョンが夢にまで見た人物と出会える場面だ。テッドの強烈さに隠されてはいるが、ジョンも相当やばい人物であることは間違いない。

終始笑いっぱなしの2時間だ。テッドのちょっとしたギャグもそうだが、ジョンがくそまじめに言う言葉も面白い。ちょっと思い込みの激しいオタクのようなイメージがあり、テッドが悪いように語られてはいるが、実はすべてジョンが悪いというのが暴露されている。

ロリーが諦めの気持ちで見守るのも良くわかる。むちゃくちゃなコンビだが、憎めない。ラスト間近ではストーカー親子から逃げる途中で、テッドの腹が真っ二つに裂ける場面は、絶対にこの後復活すると分かっていても、強烈に悲しい気分になった。

近くにいてほしくないが、ちょっと離れた位置で見ていたいのがテッドだ。



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