2016.4.5 インド版ジャッキーチェンだ 【タイガー 伝説のスパイ】
タイガー 伝説のスパイ 【DVD】
■ヒトコト感想
インド映画の定番として、大人数で歌って踊るというのがある。本作でもポイント的な場面でいつもの踊りがスタートする。映画内容が現代的になったとしても、変わらない伝統的な流れがある。インドとパキスタンの政治的な関係を、うまくスパイに絡ませている。
タイガーという伝説のスパイが、まるでジェームスボンドのように活動する。というよりも、街中で敵から逃げるアクションは、まるで香港映画のジャッキー・チェンのような激しいアクションだ。小さな商店街の路地で野菜の店に突っ込みながら、敵の攻撃をかわす。ある場面は木箱に乗って坂を滑ったりもする。建物から飛び降りたり、隣の建物に飛び移ったり、面白アクションが目白押しとなっている。
■ストーリー
インドの諜報局RAWが生み出した完全無欠のスパイ“タイガー"は、敵国のパキスタンに寝返った元同僚を始末したばかり。ところが新たなミッションで向かったダブリンで、生まれて初めての恋に落ちてしまう。
しかも愛した女性は、実はパキスタンのスパイだった!決して結ばれてはいけない相手との逃避行。果たしてふたりは、地の果てまで追ってくる、祖国からの追手を振り切って、偽りだらけの世界で真実の愛を貫くことができるのか?
■感想
インドの情報局に所属する完全無欠のスパイであるタイガー。スパイとしての能力の高さを示すために、激しいアクションがまず登場してくる。そこからインドとパキスタンの政治的な関係を描きつつ、スパイとして存在することの問題や流れが描かれている。
スパイであるだけに、家庭をもつことができない。そして、近所の人にも素性を隠すしかない。哀愁ただようタイガーの表情が印象深い。さらには、タイガーが見た目的にまじめな表情をしていても、なんだかちょっと笑えてくる感じなのが良い。
タイガーが恋し、その恋人が実はパキスタンのスパイだったという流れだ。まるでロミオとジュリエットのように、二人の関係は敵対するお互いの国の運命から逃れることはできない。諜報員だけに、逃げ出すと、とたんに追跡の対象となる。
タイガーと恋人は、それぞれの国の諜報部員たちに追われることになる。定番的な流れであることは間違いないのだが、インドという土地と、スパイとして生きることの辛さが語られている。それでも、随所にちりばめられているちょっとしたユーモアあふれる展開が良い。
インド版007というふれこみだが、どちらかというとインド版ジャッキーチェンのように思えてしまった。どれだけ敵に囲まれたとしても、タイガーと恋人は凄腕諜報員としての力を示し、敵をあっさりと倒してしまう。この流れは単純だが、安心して楽しむことができる。
インド映画らしくアクションは万人が楽しめるよう、様々なカメラアングルで変化をつけている。ハリウッド映画のようにCGをバリバリ使うのではなく、撮り方の工夫により激しいアクションを表現している。
インド映画の楽しい部分がつまった作品だ。
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