ステキな金縛り


 2016.4.4      落ち武者風髪型のタクシー運転手 【ステキな金縛り】

                     
ステキな金縛り スペシャル・エディション【Blu-ray】 [ 深津絵里 ]

■ヒトコト感想
三谷幸喜のいつもの面白作品だ。今回は落ち武者の幽霊が登場し、当たり前のように裁判をうけるところがぶっ飛んでいる。弁護士が依頼者の無実を証明するため、金縛りにあっていたことを証明する。落ち武者の幽霊を見ることができるのは一部の人のみ。これが面白状況を生み出している。強烈なのは、弁護士が隣に落ち武者を従えてタクシーに乗り込むシーンだ。

運転手からすると、ぶつぶつ独り言をつぶやいているように見える。が、隣には落ち武者がいる。そして…。タクシーの運転手が落ち武者のような髪型をしているのが面白すぎる。有名俳優たちがチョイ役としてアチコチに登場している。事件としては大したことはないのだが、落ち武者を巻き込んだゴタゴタが強烈に面白い。

■ストーリー

失敗続きで後がない三流弁護士のエミは、資産家の妻殺しの容疑で捕まった男の弁護を担当することになり…。

■感想
殺人事件の容疑者が三流弁護士のエミに弁護の依頼をする。殺人事件に関してはかなり強引というか、「それはないだろう?」と思うような流れがある。エミは無実の罪をきせられたであろう人物の弁護のために、調査をし、金縛りにあっていたからという無茶なアリバイを証明しようとする。

金縛りの原因が落ち武者の幽霊ということになる。この落ち武者の幽霊を見える人と見えない人がいるということが曲者だ。見えない人にとっては、独り言を言う怪しい人物となり、見える人は驚愕の表情で固まってしまう。

痛快なのが、落ち武者とエミがタクシーに同乗した場合だ。落ち武者といろいろな会話をするが、運転手からはひとりごとを言っているように見える。それでいて、落ち武者の髪型について話をする。その結果として、落ち武者のような髪型の運転手がやけにエミの言葉に反応してしまう。

このなんとも言えない雰囲気がすばらしい。見える者たちの落ち武者との絡みがかなり面白い。そして、落ち武者がつれてきた死者たちに対して、それなりにインパクトのある対応をしているのが面白い。死んだ飼い犬とのなんとも言えない笑える動きがすばらしい。

幽霊を裁判の証人として登場させるのがすでにぶっ飛んでいる。見える人と見えない人がいる中で、どのようにして円滑に裁判をすすめていくのか。霊界から死者を呼び出すことまで始めてしまうと、裁判の必要性がないのでは?と思ってしまう。

死者と普通にコミュニケーションがとれる弁護士や検事。裁判官はふたりのやりとりを眺めるしかない。有名俳優たちが多数登場し、それでいて、それなりにインパクトのあるストーリーを展開する。強烈なインパクトがあることは間違いない。

冷静に考えるとかなりおかしな展開だが、それらを凌駕する面白さがある。



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