サマータイムマシン・ブルース


 2017.3.5      Fラン大学生っぽい 【サマータイムマシン・ブルース】

                     
評価:3.5

■ヒトコト感想
タイムマシンによる複雑なタイムパラドックスをシンプルにわかりやすく描いている。時間旅行のカギとなるのがクーラーのリモコンというのも良い。目の前にタイムマシンがあらわれて、昨日に行こうというその呑気な考え方がFランク大学生っぽくて良い。タイムマシンを扱った物語のため、前半はあちこち伏線だらけだ。

そのため、ちょっと意味の分からない言動が続いたりもする。が、後半からはすべてがはっきりとしてくる。昨日と今日を行ったり来たりするので、登場人物たちは同じ。ただ服装でどちらかを判断するしかない。後半の、欠けたパズルのピースがぴったりとはまる感はすさまじい。この爽快感のために本作は作られたのだろう。

■ストーリー
5人の男子学生と2人の女子学生が過ごしたおかしな夏休みを描いた青春冒険映画。夏休みのある日、部室で過ごすSF研究会と写真部のメンバーの前に、突如タイム・マシンが現われる。軽い気持ちで乗ってはみたが、それが想像もつかないとんでもない事態を引き起こすことに…。

■感想
5人の大学生と2人の女子学生の前にタイムマシンが突然現れる。壊れたクーラーのリモコンを昨日から持ってくるため、ひとりの男がタイムマシンに乗り昨日へと戻る。なんだかしょうもない理由でタイムマシンを使う大学生たちだ。

最初からなんだかアホ学生な雰囲気がプンプンしていた。言動や考え方そして立ち振る舞いが非常に短絡的で良い。この登場人物たちだからこそ、昨日と今日を行ったり来たりするというバカっぽい行動が似合っている。普通ならばもっと有効なタイムマシンの使い方があるだろうに…。

前半ではタイムパラドックスの伏線のため、よくわからない言動がちょこちょこ登場してくる。銭湯のおばさんが、「お前たちは双生児?」なんて聞き、シャンプーが行方不明になったり、よくわからない出来事が続く。

この段階では、なんだかよくわからない、はしゃぐ大学生の物語でしかない。が、タイムマシンが登場してから怒涛の展開となる。クーラーのリモコンをとったり、昨日の自分たちを尾行しようなんていう考え方がすさまじくバカっぽい。このよくわからないノリが良い。

複雑なタイムパラドックスをクーラーのリモコンで表現しているのが良い。目の前のリモコンが一旦は過去に行き、30年後の未来から現在へ戻り、99年前に行き、そして現在に戻り、最終的には壊れる。なんだか複雑だが、映像を交えると不思議なほど理解でき、そして楽しめる。

大学生たちの面白行動の数々と、タイムマシン絡みの秘密が強烈に面白い。ラストではちょっとした未来に対する面白回答まである。好きな女の子供として未来からさえない風貌の男がやってきた。なんだかにやりと笑える展開だ。

最初は面白くなかったが、後半になると途端に面白くなってくる。



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