2015.3.10 すべてはエミリアが選んだ道 【水曜日のエミリア】
■ヒトコト感想
妻子ある男に近づき、離婚させ、再婚する。エミリア目線で描かれているだけに、周りから白い目で見られているという流れなのだが、客観的に見るとエミリアに良い印象はない。エリート医師の元妻は確かに問題があるかもしれないが、エミリアも同等のような気がした。
再婚相手の子供は、エミリアになつかない。仲よくなろうと画策するエミリアの行動がすべて裏目にでる。挙句の果てには、生まれたばかりのエミリアの子供の死。不幸と苦難の連続だ。元妻とエミリアの関係が悪いのは当然として、ぎくしゃくした歪が子供と夫にまで広がっていく。悲しみにあふれるエミリアの表情は同情せざるお得ないが、どうしても自業自得のように思えてしまう。
■ストーリー
既婚者の上司に恋をしてしまった。エミリアの妊娠をきっかけに離婚が成立した相手と結婚したものの、世間の見る目は“略奪女”。以来運命が彼女に配るカードはどれも不運ばかり。週の半分をいっしょに過ごす夫の息子は、決して心を開かない。エリート医師の元妻は、エミリアの子育てを厳しく監視し、何かと小言を言ってくる。
とどめは、愛する夫との間に生まれた赤ちゃんの突然死だった。追い詰められたエミリアは娘の死にまつわる“秘密”を告白すると、愛する家族との絆はぷっつりと切れてしまう。家を出る決意をするエミリア。しかし、そんな家族を再び結びつけたのは、ある意外な人物だった…。
■感想
本作のエミリアに世の女性たちはどの程度共感できるのだろうか。略奪愛の末、手に入れた幸せ。相手の連れ子との関係がうまくいかないのは、想定内のことのはずだ。周りから白い目で見られるのも覚悟の上だろう。本作では、そのあたり多少描かれているが、被害者意識というのがにじみ出ている。
子供を連れてスケートに行き、おなかの弱い子供に乳製品のアイスを食べさせる。元妻からすれば、母親失格な行動ばかりだろう。何事もうまくいかないエミリアは、悲劇のヒロインを演じているように思えてしまう。
エミリアは夫との子供を、生まれて間もなく亡くしてしまう。これが決定的な溝なのだろうか。作中ではそのあたり描かれておらず、デリケートな問題として扱われている。実の子供を失った原因を告白するエミリア。衝撃的な内容だが、それがすべてではないだろう。
略奪愛のエミリアが人並みに幸せになろうとすれば、かなりの苦労と努力が必要なのは当然のことだ。それでも子供との相性が悪ければ、うまくいかないことはある。そのことを、さも自分が悪くないように描かれているようで、あまり共感はできなかった。
エリート医者の元妻を含め、かなり特殊なキャラが多い。皆自分のことだけを考えているようだ。エミリアと反目し続けた子供だけが、最後にエミリアに歩み寄ることになる。本作のターゲットとしては、若い女性なのだろうが、エミリアの境遇を冷静に考えると、共感できるキャラではない。
エミリアひとりがかき回し、大騒ぎしたあげく、なんだかんだと元に戻ったという感じだろうか。水曜日だけ子供を迎えに行くエミリアに、子供は情がうつったのか。この家族が将来、幸せになるようなイメージが一切ないのは自分だけだろうか。
すべてはエミリア自身が選んだ道でしかない。
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