2017.3.29 ゲームとは別物 【ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー】
ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー
評価:3
■ヒトコト感想
ストリートファイターのキャラクターの名前だけ借りているが、中身は別物だ。というか、俳優たちをゲームのキャラに寄せてくるかと思いきや…。ベガなどは普通のスーツを着たおじさんでしかない。バイソンも逞しい黒人という部分しか共通点はない。唯一、バルログだけがゲームっぽい動きをするのだが…。キャラクターを使い、ストーリーはわりとありがちなハリウッド映画と化している。
下手にゲームを踏襲しないのが良いのだろう。チュンリーが普通にゲームっぽい技を使うことと、登場キャラクターにゲームのキャラの名前がついていることくらいしか、ストリートファイター的なイメージがない。ゲームファンにはもしかしたら物足りないかもしれない。
■ストーリー
裕福な家庭で生まれ育った春麗<チュンリー>。しかし、幼い彼女の前で突然、悪漢に父が拉致されてしまい、そのまま父の消息は途絶えてしまう・・・。それから10年後、ピアニストとして成長した春麗だが、母親も亡くなり天涯孤独に・・・。
そんなある日、彼女の前に不思議な男、元<ゲン>が現れる。彼は春麗の父親をさらった、秘密結社《シャドルー》と戦い、ずっと彼女を見守っていたのだ。元は春麗に「父親は生きている」と告げる。しかし、再会をするには真のストリートファイターとなり、巨大な敵と闘わねばならぬことを…。今、美しきストリートファイターの過酷な運命が幕をあける。
■感想
ストリートファイターを知らない人が見ると、ゲームのイメージはできないだろう。ゲームの要素はあまりない。キャラクターの名前がゲームに登場するキャラクターで、それも一部のキャラしかでてこない。さらに言うなら、ゲームのキャラとまったくイメージの異なる登場人物となっている。
ベガはゲームでは帝都大戦的な軍服のイメージだが、作中ではスーツを着た髭面のオヤジとなっている。ごく普通の悪の組織のボスという感じだ。バイソンは筋肉隆々の黒人ではあるが、ボクシングのイメージはない。
チュンリーがメインのため、その周辺が描かれているが、ゲームとは程遠い印象となっている。バルログだけがかろうじで仮面を被りゲーム的な動きをしている。チュンリーの技だけは、ゲームをイメージするような技が数々登場してくる。
アクションとしての面白さはあり、ゲームファンならば「これはあの技だ!」と気づくだろう。アクションをメインとして考えたならば、それなりに面白いのかもしれない。ゲームを知らない人にも楽しめるようにした代わりに、コアなストリートファイターファンには「ゲームと違う!」と思われたことだろう。
ラストではリュウが対戦相手として待っているような描写もあり、スト2の前段階のような物語だ。ごく普通のハリウッドアクション映画としてはまったく問題ない。ゲームに忠実にすると、とたんに嘘くさくなってしまうので、この流れは万人受けするためには必要なことなのだろう。
強烈なインパクトはないのだが、平均点としての面白さがあるのは間違いないだろう。もう少し尖がった作風でも良かったのではないかとも思ったが、対戦格闘ゲームを原作とした他映画作品に比べると随分ましなほうだ。
ゲームとは別物と考えた方が良い。
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