ソウル・メン


 2016.10.4      黒人ふたりの珍道中 【ソウル・メン】

                     


■ヒトコト感想
過去にブレイクしたコーラスグループが解散した。メインボーカルのマーカスは大人気となり脇のルイスとフロイドは二人でコンビを結成するがいまいちの人気となる。結局のところフロイドは事業を始め、ルーカスは刑務所暮らしとなる。時は経ちマーカスが急死した際に、ルーカスとフロイドに追悼コンサートの話がくる。そこからメンフィスまでのふたりの珍道中が始まる。

ルイスとフロイドのコンビが良い。暴力的なルイスとお笑い要素が強いフロイド。女を寝取っただとか、金を返さないだとか、ふたりの言い合いはまるで漫才コンビのようだ。道中では、フロイドの別れた妻の家に立ち寄り、そこでフロイドの娘と思わしき人物と衝撃的な出会いをする。サミュエル・L・ジャクソンのルイスはかなり良いキャラをしている。

■ストーリー
マーカス・フック&ザ・リアル・ディールは、メンフィスにて友人3人が集まって結成された60年代にブレイクしたコーラス・グループだった。数々のヒットを飛ばして人気となったが、マーカス(ジョン・レジェンド)がソロ転進をきっかけにグループは解散。ルイス(サミュエル・L・ジャクソン)とフロイド(バーニー・マック)はザ・リアル・ディールとして活動するも、マーカス程の人気にはならずに自然消滅。

しかも2人は喧嘩ばかりでその後20年も口をきいていなかった。しかし、ある日2人の元にマーカスが死んだとの訃報が。追憶コンサートの為に、ザ・リアル・ディールの再結成の話が舞い込み久しぶりに再会したルイスとフロイドは、コンサートが開かれるNYのアポロシアターを目指し2人の珍道中が始まる!!!

■感想
強面の黒人二人がメンフィスに向かって車を走らせる。それだけでなんだか恐ろしくなるが、ふたりが過去にアフロヘアーでダンスをしながら歌を歌っていたというのは笑えてくる。サタデーナイトフィーバー的な古臭さが良い。そして、なんだかわからないが、ふたりの珍道中は面白い。

途中でリハビリ代わりにステージに立つ。そこで盛り上がり、現地の女性と一夜を過ごすのだが…。してやったりのフロイドだが、ルイスはフロイドが寝た女の娘と良い関係となっている。ふたりのチグハグ具合が最高だ。

フロイドの別れた妻の家に行くと、そこでは別れた妻が亡くなったことを知る。ショックだが娘がいることに喜ぶフロイド。このあたりしんみりとした流れになるかと思いきや…。実はフロイドの子供だと思っていたが、ルイスが浮気をしていたというオチだ。

なんだかむちゃくちゃな状況だが、それらを含めた勢いがすさまじい。チンピラに絡まれたとしても、ルイスが圧倒的な暴力で排除してしまう。警察に追われたとしても、今度はフロイドが、ルイスが余命わずかだと勝手に勘違いし暴走する。都合がよすぎるが、良い流れだ。

ラストはマーカスの葬式で、ふたりは警察に追われながらも追悼コンサートをやりきってしまう。感動的というよりは、よかったよかった、という感じだ。ルイスとフロイドの珍道中。ふたりの軽快なダンスと歌。そして、その先にあるのはインパクトのあるラストだ。

過去の栄光にすがるわけでもなく、それぞれが別の道を歩んでいたが、過去の仲間のために利益を度外視して集まる。という高い志ではなく、ただ成り行きで流れがすすんでいるだけなのかもしれない。

フロイドとルイスの掛け合いは最高だ。



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