2016.3.1 精神科医が凶悪犯を手玉にとる 【サウンド・オブ・サイレンス】
[DVD] サウンド・オブ・サイレンス
■ヒトコト感想
精神科医のネイサンの娘が誘拐された。理由はネイサンが治療する多重人格少女のエリザベスからある番号を聞き出すためだ。冒頭、強盗団が宝石を盗み出す場面からスタートする。そこで強盗団がらみの怪しげな何かがあると想像できる。
ネイサンがエリザベスから情報を得るために行う治療や、娘を助け出すために強盗団との交渉場面など、興味を惹かれる場面は多々ある。それらと共に、足を骨折した妻が娘を助け出すために奮闘するのも物語のポイントだろう。エリザベスの過去のトラウマを探ることで謎の数字のヒントが浮かび上がってくる。精神科医であるはずのネイサンが、ラストでは激しいアクションをくりひろげる。
■ストーリー
有能な精神科医ネイサンは、多重人格の少女エリザベスを診察した翌朝、彼の最愛の一人娘を誘拐される。冷徹な犯人たちは、「エリザベスが記憶している"ある番号を聞き出せ。タイムリミットは午後5時だ。さもなくば娘を殺す」という謎めいた要求を突きつける。
スキー旅行で足を骨折して動けない妻もまた、誘拐犯の監視下におかれ、ネイサンは警察への通報も不可能なまま、一人で戦うことになる。しかし、心を閉ざしたエリザベスは、必死のネイサンの要請にも、冷ややかに呟く。「絶対に教えない」ネイサンは限られた時間の中で娘を無事救い出すことができるのか? そして、謎の番号に隠されたショッキングな秘密とは?
■感想
有能な精神科医が強盗団に目を付けられる。理由は多重人格の少女からある番号を聞き出すためだ。何の番号かは知らされないままネイサンはエリザベスから聞き出そうとする。非常に難解な治療だろう。理由がわからないまま、エリザベスの過去をさぐるネイサン。
そこから過去の強盗事件や、ネイサンの娘を誘拐した犯人の存在にうっすらと気づくことになる。ネイサンと犯人たちの交渉が面白い。常に主導権を握る犯人側。ネイサンの家を徹底的に監視するまでの念のいれようだ。
ネイサンはエリザベスの治療の過程で様々な方法をとることになる。ただ、知能の高いエリザベスがそう簡単に数字を口にするはずもない。娘を誘拐されたネイサンの焦りは強烈なものなのだろう。足を骨折し動けないネイサンの妻は、そんな状態でありながら娘を見つけ出そうと必死になる。
犯人たちの強固な監視の目をかいくぐり、どうにかして娘を助けようとする。その必死さが強烈に伝わってくる作品であることは間違いない。犯人たちとの駆け引きが、面白さのポイントだ。
ネイサンとエリザベスが協力関係となってからは、物語は一気に加速されていく。いつのまにか主導権を握るのはネイサン側であり、犯人たちは必死にネイサンを追いかけようとする。この流れの急激な変化はすばらしい。
ネイサンの娘も、ただ怯えるだけでなく逃げ出すために様々な方策をとることになる。警察へ連絡できない監視状態にありながら、事態を打開する母の強さ。エリザベスから情報を引き出すだけでなく、犯人たちとの交渉を有利にすすめるよう立ち回るネイサン。ふたりの機転の利いた行動がすべてだ。
ただの精神科医が、凶暴な犯人たちを手玉にとる。
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