それでも、愛してる


 2016.2.13      うつ病の父親をどう救う? 【それでも、愛してる】

                     
それでも、愛してる

■ヒトコト感想
うつ病になった会社経営者が、家族との関係や人生について見つめ直す物語。テーマは重いが、中身は少しコメディが入っている。その理由としては、うつ病を患ったウォルターが左手にビーバーのぬいぐるみをつけて会話をするというヘンテコな場面が多々あるからだ。うつ病になったことで人生が崩壊しつつあるウォルター。

そこから救いを求めた結果、左手にぬいぐるみのビーバーを持ち、ウォルターが腹話術のように会話をするだが、このビーバーに救われると思い込んでしまう。そこから、奇妙だが昔のように精力的なウォルターとなる。が、家族関係は…。父親がビーバーのぬいぐるみを肌身離さず持ち会話する姿は、息子からしたらとんでもない父親でしかない。

■ストーリー

親から継いだ玩具会社を経営し、結婚20年になる妻との間に息子2人。何不自由ない人生を送っていたウォルターが、ある日突然、うつ病に。薬もカウンセリングも効果なし。だが近所のゴミ箱に捨ててあったビーバーのぬいぐるみとの出会いが、彼の人生に転機をもたらす。生きる希望を失ったウォルターにビーバーが呼びかけてきたのだ、「お前の人生を救うためにやって来た」と…!?

■感想
うつ病になった男ウォルターとその家族の物語。ある日突然うつ病となり、薬やカウンセリングも効果がない。その結果、ウォルターが助けを求めたのは…。左手にビーバーのぬいぐるみをつけて、まるでビーバーが話をするかのごとく、ウォルターが腹話術を行う。

会社経営もすべてビーバーがやる態となる。たちまち世間で話題となり、時の人となるウォルター。だが、家族からしたら父親がビーバーを手に持ち会話するというのは違和感でしかない。反抗期の息子と、不審げな目を向ける妻。どう考えても家族関係はうまくいくわけがない。

ウォルターがビーバーにより回復したかに見えた部分は強烈だ。家族との会話はすべてビーバーが行う。そして、妻との夜の生活であってもビーバーが離れることはない。風呂も一緒に入り、ビーバーを離すことができない。そんな状況に不信感をもち始める妻。

そして、息子は父親が異常な状況に耐えられなくなる。このあたり、普通の家庭であっても困難な状況にも関わらず、ウォルターの病気が状況の悪化に拍車をかけている。どちらが悪いというのではないが、キリキリとストレスがたまる状況であることは間違いない。

家族からビーバーを非難されるが、離れることができないウォルター。そして、ビーバーの呪縛から逃れるためにとった手段は…。ウォルターの行動を知り、家族はウォルターがとんでもなく追い詰められていたことに気づく。ひとつの大きな事件が家族のきずなを深めることになる。

タイトルの「それでも、愛している」というのは、ウォルターがどんな状況になろうとも、愛していると言いたいのだろう。最後の最後に救われた結末となっているので、心底よかったと感じることができる。

コメディの要素もあるが、まぎれもなくシリアスな作品だ。



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