ソラリス


 2016.9.7      宇宙空間には何かがある 【ソラリス】

                     


■ヒトコト感想
リメイク作品。元の作品は見ていないが、非常に哲学的というか人の心理を刺激するような内容となっている。惑星ソラリスを探索中の宇宙ステーション内で、奇妙な出来事が起こる。交信が途絶え自殺者まででる始末。そこへ心理学者のケルブィンが調査に訪れるのだが…。

宇宙ステーション内での孤独感がすさまじい。眠って目が覚めると、隣には愛する者がいる。宇宙ステーションにいるはずがないとわかっていながら、見た目は瓜二つで記憶までもある。となると、気持ち的には傾いていくのだが…。明らかに異質な生物だということはわかる。この心の葛藤がすさまじい。孤独な宇宙空間で、目の前に愛する人がいるならば…。非常に恐ろしさを感じる作品だ。

■ストーリー

惑星ソラリスを探査中の宇宙ステーション“プロメテウス"。ここでは不可思議な事件が続発し、地球との交信も途絶えてしまった。この謎を解明するため送り込まれた心理学者ケルヴィンは到着したステーション内で親友の死体を発見する。一体、ここで何が起こっているのか? その後も奇怪な現象は続き、ついに見えるはずのない「何か」を彼は目撃してしまう……。

■感想
宇宙ステーション”プロメテウス”内で起きる不可思議な出来事。ケルヴィンが送り込まれた時点で、すでに同僚のひとりが自殺していた。一見、何事もない平和な宇宙ステーションに見えるのだが、眠らずにどれくらいすごせるか?という質問をされる。

そこにどういった意味があるのかは、ケルヴィンが眼を覚ました時にわかる。ケルヴィンの隣には、愛する妻の姿があった。宇宙ステーションにいるはずのない人物。そして心が揺れながらも、ポッドに乗せて宇宙空間に放り出す。

宇宙ステーションに入り込んだ何かが対象者の愛する人物に化けてでてくるのか。見た目や記憶までもそっくりにトレースする謎の生物。物語はこの謎の生物の謎を解くのではなく、人の心理の奥底を覗き見るような流れとなる。

異質な者とわかっていながら、惹かれてしまうケルヴィン。目の前で異常な治癒能力を見せられたとしても、気持ちを断ち切ることができない。密閉された空間で、直接害を加えるかはわからない状態の生物をどのようにして排除していくのか。

人の心の奥底を刺激する作品だ。作品全体にただよう暗い雰囲気。過去の回想と現在の状態が交互に描かれるため、どこまでが現実かわからなくなる可能性がある。ケルヴィンの苦悩がそのまま、物語の雰囲気として描かれている。

謎だらけの宇宙空間であり、さらには惑星ソラリスが奇妙な雰囲気をかもしだしている。見えるはずのない「何か」を見てしまうと、その後、人はどうなっていくのか。宇宙空間は謎だらけで、人が説明できる領域を超えた現象は必ずあるだろう。

現実にありそうで恐ろしい。



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