幸せパズル


 2015.2.20      パズルが主婦を未知なる世界へ 【幸せパズル】

                     


■ヒトコト感想

パズル好きの平凡な主婦が、パズルをきっかけに出会った資産家とパズルの大会へ参加する話だ。ふたりの息子と夫との生活には何の不満もないが、刺激を求めてしまう。夫や息子との関係は順調ではあるが、パズルが夫や息子に理解されていないことに不満をもつ。パズルに熱中する主婦となると、家事やその他をおろそかにしていると思われがちだが、そうではない。

夫婦仲も良い。ただ、身勝手な息子に多少イライラしたり、パズルに理解のある資産家と良い雰囲気になったりと、平凡な主婦が浮気をする素養はそろっている。物語はあまり波風立たずにサラリと終わっている。強烈なインパクトはないのだが、平凡な主婦の毎日に、ちょっとした刺激がスパイスとなる作品だ。

■ストーリー

ささやかで平凡な毎日を送ってきた専業主婦が、誕生日のプレゼントがきっかけとなり、ジグソーパズルの才能に目覚め、新しい世界に足を踏み入れてゆく姿を描いたドラマ。

■感想
パズル好きの主婦。特徴的なのは、パズルの作り方が端から作るのではなく、真ん中からいきなり作り始めることだ。周りから変わった作り方と言われるが、戸惑いつつも自分のやり方を貫く。パズルの大会に出るために練習に力を入れた結果、家族との関係が若干ぎくしゃくし始める。

パズルに熱中し、家に帰るのに遅れ夕食の準備が間に合わない。パズルをとるのか、家庭をとるのか、まではいかないが、主婦はパズルの大会へ出ることに少し後ろめたさを感じている。

パズルの才能に目覚める主婦。パズルの世界にのめり込むのを、直前で思いとどまる。ローカルのパズル大会で優勝しドイツでの世界大会へ出場するのか。身勝手な息子や、食事療法に力を入れる夫に少しだけ嫌気がさしていたため、主婦は悩む。主婦が新たな世界へと足を踏み出すのか、それとも家庭にとどまるのか。

専業主婦が不倫へとのめり込む単純な物語ではない。パズルという地味なものをテーマとしているので、それなりに物語としても地味になる。

劇的なオチがあるわけでもなく、何かを訴えかけているわけではない。ごく普通の主婦が、子供のため、夫のために日々生活しつつも、自分の楽しみを見つける。パズルが楽しみなんてのは、可愛いものだと思うのだが、それでもパズルをきっかけとして背徳的な世界へ流れるのが、少しドキドキ感がある。

ハリウッド的な映画に慣れている人にとっては、少し物足りなく感じることだろう。家庭内でどんないざこざが起ころうとも、毎日は過ぎ去っていく。

パズルが刺激的な世界への扉となる物語だ。



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