幸せの教室


 2015.11.16      リストラおやじが目覚める 【幸せの教室】

                     


■ヒトコト感想

高卒のためリストラされたラリー。心機一転、学歴を手に入れるため、短大へ通うことになる。中年オヤジがいちから勉強を始めるというのが物語の核だ。ただ、その後、どうなりたいかがよくわからない。スピーチクラスに入学し、スピーチの技術を学ぶ。何か充実感は得られるのだろうが、ゴールが見えないため、なんとなく物語はダラダラと進んでいるような気がした。

冴えないオヤジが勉強に目覚め、好成績を上げる。確かに見ていて気分の良い流れではある。自分を見失いがちになっていたスピーチクラスの教師であるメルセデスとの関係も次第に良くなっていく。自分をリストラした元上司がピザ屋をやっていたことに、何か大きな意味があるような気がした。結局、何が言いたいのかよくわからない物語だ。

■ストーリー

学歴を理由にリストラされ、再就職のためのスキルを身につけるため、短期大学へ入学したラリー・クラウン(トム・ハンクス)。結婚生活への不満から酒に逃げるスピーチ・クラスの教師メルセデス・テイノー(ジュリア・ロバーツ)。新たな環境で充実した毎日を送りはじめたラリーと出会い、教壇に立つ情熱さえ見失っていたメルセデスは自分を見つめ直すように―。

■感想
学歴がないからとリストラされたオヤジが心機一転頑張るという物語。学歴がない代わりに軍隊でコックをやっていた。そのことは、就職には何のプラスにならず、結局は学歴が必要だと理解するラリー。ただ、学歴を手に入れてどうしたいだとか、どうなりたいという目的はいっさい見えてこない。

進められて経済とスピーチのクラスを受講したはいいが…。結局のところ経済の授業にどのような意味があったのだろうか。真面目に授業を受けて優秀な成績をとり、ちょっとだけ現実の生活で経済が役に立つ。ただ、それだけだ。

スピーチクラスでも地道なラリーは良い評価をもらう。その結果、大企業に再就職できただとか、元上司たちが羨むような生活を手に入れたわけではない。ラリーの生活は前のレベルには戻らず、アルバイトでコックをやるだけ。唯一、スピーチクラスのメルセデスとの仲が進展したというだけ。

結局のところ、学歴を手に入れることに何の意味もないというオチに思えて仕方がない。ラリー的に、スーパーマーケットで働いていたころよりも、幸せを感じているのだろうか?そのあたりがまったく伝わってこない。

本作のもう一人の主役であるメルセデスは確かに大きく変化している。旦那への不満がたまりまくった状態で、目の前の中年オヤジが生き生きと自分の授業をうける。メルセデスから見ると、ラリーは非常に前向きで輝いて見えたのだろう。

ただ、そうやるしかないからラリーはやっていただけのような…。何を目的としているのかわからない一番の原因は、間違いなくラストの流れにあるのだろう。ラリーの生活が変わるわけでもなく、ただメルセデスと少し仲よくなっただけ。

売れっ子二人が主演ということで成り立つ作品なのだろう。



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