幸せへのキセキ


 2015.7.20      新しい家は動物園付き 【幸せへのキセキ】

                     


■ヒトコト感想

妻を亡くしたコラムニストのベンジャミンが、人生を変える新たな手段として選んだのは、新しい土地での生活だ。そんなベンジャミンが購入したのは動物園付きの家だった。度肝を抜かれる動物園付きという条件。それを受け入れるベンジャミンはすさまじく、付き合わされる息子が反抗するのもよくわかる。

閉鎖中の動物園を仲間と共に復活させるという、映画作品としてはわかりやすい流れなのだろう。お決まり通り資金繰りに四苦八苦し、一度は動物園の開園を諦めかけるのだが…。動物園をオープンさせることがそれほど簡単とは思えない。維持することも大変だろう。実話を元にした本作は、その事実だけでかなり衝撃的かもしれない。

■ストーリー

半年前に最愛の妻を亡くしたベンジャミン。新聞コラムニストの仕事は頭打ち、反抗期の息子とは心が離れ離れ、娘も悲しみを抱え……。人生の崖っぷちに立たされていた彼は、妻との想い出が詰まった町を離れ、新しい土地で生活を始めようと決意する。そんな彼が購入したのは、郊外の丘の上に立つ理想の家。ところが、その物件はなんと閉鎖中の≪動物園≫付きだった。

周囲の大反対を押し切り、引っ越しと同時に知識も経験もない園長となった彼は、風変わりな飼育員たち、再オープンを待ち望む地元の人々、そして家族みんなのサポートを得て動物園再建という一世一代の冒険に乗り出していくのだった。資金不足・悪天候など次々と彼らの前に立ちはだかる障害。果たして無事オープンの日を迎え成功することができるのだろうか!?

■感想
最愛の妻を亡くし、自暴自棄になりかけたベンジャミンが、人生を変えるためにチャレンジをする。家を買ったら動物園がついてくるなんていうのは衝撃的すぎる。そして、閉鎖中の動物園を復活させようと躍起になるのも、自暴自棄の延長のように思えなくもない。

父親が突然動物園をやりだすと、付き合わされる子供たちは大変だ。買い物するにも何キロも遠く離れたスーパーへ行くしかない。周りには遊ぶ場所がない。となると、子供が反抗的になるのは当然だろう。ベンジャミンの熱意は、最初はただ自分をごまかすだけのように思えてしまった。

中盤以降は、ひたすら動物園を開演するために四苦八苦するベンジャミンが描かれている。開園までに越えなければならないハードルは数多く存在する。一番の問題は資金的な問題だ。生き物を飼うというだけで、莫大なエサ代がまっている。

それだけでなく、従業員がある意味ボランティア的に働いてくれたとしても、給料は必要だ。檻の修理代や、その他設備を充実させたりと、やることは多い。従業員たちの協力により動物園をオープンまでこぎつけるのだが…。

仲間と共に協力して一つのことを成し遂げる類の作品だ。大きな困難は資金不足ではあるが、それを解決する手段がいかにもご都合主義的に感じてしまう。普通に考えて素人がいきなり動物園のオーナーとなってうまくいくのか微妙だが、実話ということですべて真実なのだろう。

開園日となり、果たして客は来てくれるのか?というドキドキがある。その結果…。まぁ、ある程度想定できる流れではある。強烈なインパクトはないのだが、感動をどれだけ引き起こすことができるかというと…。

動物園付きの家というのは衝撃的すぎる。



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