shopgirl 恋の商品価値


 2016.3.6      恋に心が揺れ動く平凡な女 【shopgirl 恋の商品価値】

                     
Shopgirl/恋の商品価値

■ヒトコト感想
日々、なんの刺激のない生活をするミラベル。高級デパートでの仕事をこなすのみ。孤独でさみしい女性だったが、コインランドリーで出会った変わり者の青年ジェレミーと出会い付き合うことになる。金はないが誠実で正直な男。なんだかちぐはぐなようだがお似合いのようでもある。そんな状態でデパートに買い物にきた60歳近いオシャレなセレブのレイと出会う。

ジェレミーとレイの二股のような関係だが、ミラベルの中ではセレブのレイに惹かれているのは明らかだ。ミラベルの知らない世界を経験させてくれるレイ。ただ、レイは結婚する気はない。ミラベルの心の揺れ動き方がはっきりとわかる本作。物語としては、大きな事件が起きるわけでもなく、サラリと終わる感じだ。

■ストーリー

高級デパート・サックスの婦人用手袋売り場でレジ係として働いているミラベル(クレア・デインズ)は、なかなか恋人を作る事が出来ない孤独な女性であったが、ある時コインランドリーで自称アーティストというの変わり者の青年ジェレミー(ジェイソン・シュワルツマン)と出会う。

お金がなく恋に不器用なジェレミーに、いつしか心が魅かれていくミラベル。同時にミラベルは、60歳近いオシャレな大富豪の紳士レイ・ポーター(スティーヴ・マーチン)と出会ってしまう。強引だがエスコートがうまく、大人の魅力にあふれたレイにも心が魅かれていくミラベル。

■感想
勤務先のデパートと家の往復だけを繰り返すミラベル。恋人のいないさみしい女性が、ちょっと変わった若い男ジェレミーや、セレブなレイと出会い少しずつ変わっていく。ジェレミーとの関係は、不器用なジェレミーのなんとも言えない初々しさが良い。

ジェレミーに多少イライラしながらも、温かく見守るミラベル。ジェレミーとミラベルの関係は普通の男女の関係のように思えてくる。それが、セレブなレイと出会うことでミラベルは変わっていく。

セレブなレイのエスコートによりミラベルは新しい世界を知る。高級なワインを飲み、豪華なホテルに泊まる。レイによりすべてをコントロールされることに心地良さを覚えるミラベルだが、レイは決して結婚とは口にしない。

レイとの関係をとるのか、それともジェレミーか、女ならば誰もが悩むことだろう。レイが結婚も視野にいれているのであれば、間違いなくミラベルはレイを選んだだろう。そうではないと女としては、どうしてよいのかわからなくなる。

恋人のいないさみしい女性が恋をして変わっていく。そこには恋にウキウキするような感じはない。全体として静かな物語であることは間違いない。ミラベルは結局のところ幸せな恋をしてきたという感じではない。

ただミラベルは最終的に自分がすすむべき道を見つけているので、ハッピーエンドと言えるのだろう。同年代の女性が見たらどう感じるのだろうか。共感できるのか、それとも感動できるのか。もしくはなにも感じないのか。

60歳近いおじさんだとしても、セレブであれば大人の男に惹かれる女性も多いのだろう。



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