シャドー・チェイサー


 2015.10.28      敵の敵は味方 【シャドー・チェイサー】

                     


■ヒトコト感想

スペインでバカンスを楽しむある家族。サンサンと降り注ぐ太陽の元で、自家用ヨットにのり家族でバカンスなんてのは、成功者家族でしかない。青年ウィルが少しの間ヨットから離れて買い物をしている隙に、ヨットは行方不明となり、家族の消息も不明となる。流れとして、実は父親がCIAの秘密諜報員で、仕事がらみのトラブルに家族まで巻き込まれたという感じだ。

何も知らなかったウィルは、父親の素性を知り、驚きショックを受ける。ブルースウィルスが父親役をしているのだが、前半で殺されてしまう。意外なほどあっけない。その後はウィルがひたすら大活躍する物語だ。普通のミステリアスなアクションと違うのは、敵の敵は味方という流れが露骨に描かれているということだ。

■ストーリー

眩い陽光が降りそそぐ南欧スペインの海辺。優雅にバカンスを過ごす家族と会うため、はるばるサンフランシスコからやって来たアメリカ人青年ウィルは、まさかこの美しいリゾート地で人生最悪の恐怖を味わうはめになるとは思ってもみなかった。海上のクルーザーから家族全員が謎の失踪を遂げ、捜査を依頼した地元警察に突然襲われてしまったのだ。

その危機を救ってくれた父親マーティンが、実はCIA工作員というもうひとつの顔を隠し持っていた事実を告げられたウィルは、言葉を失うほどのショックに見舞われる。まもなくマーティンは暗殺者が放った凶弾に倒れ、マドリードをさまよう孤独な逃亡者となったウィルは、自分と家族が、あるブリーフケースをめぐる国際的陰謀に巻き込まれたことを知るのだった……。

■感想
普通のコンサルタントかと思っていた父親が、実はCIAであり、危ない仕事に従事していたという衝撃。息子のウィルは、CIAとさらには敵対するモサドとの間に挟まれながら囚われの身となった家族を助け出すために奔走する。

まず、父親がモサドから奪い取った機密情報が元となり家族が誘拐されてしまう。CIAはモサドへ情報を返したくないので、ウィルを家族もろとも殺そうとする。むちゃくちゃな状況に追い込まれたウィルだが、そこで二つの組織に追われながらも、なんとか逃げ切ることに成功する。

CIAとモサドという二つの組織に追われるウィル。いつのまにか、家族を監禁しているモサドよりも、CIAの方が敵となる流れだ。最終的にはモサドと協力してCIAを出し抜こうとする。めずらしいパターンかもしれない。

家族を監禁した張本人を目の前にしてはいるが、とりあえず協力し、CIAを倒そうとする。普通ならば、CIAを倒した後には、モサドに対しても攻撃をしかけるはずなのだが…。アクションシーンが本作の売りなのだろう。特にカーチェイスはかなり力がはいっているように思えてくる。

敵の敵は味方を地で行く展開だ。CIAとウィルの追っかけっこが始まると、逃げるCIAと追いかけるウィルというあべこべの展開となる。かと思うと、ウィルは攻撃され絶体絶命のピンチに陥ることになる。ここで救世主的にモサドが登場する。

すべてが逆なのでは?と思えてくる。今までのザ・ハリウッド映画では、間違いなくCIAとモサドの立場は逆だっただろう。本作のようなパターンはめずらしいのは間違いない。カーチェイスのすばらしさと、意外なパターンに驚かされる作品だ。

ブルースウィルスがチョイ役というのもめずらしい。



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