世界にひとつのプレイブック


 2016.3.17      心の壊れた者同士のハラハラする恋愛 【世界にひとつのプレイブック】

                     
世界にひとつのプレイブック Blu-rayコレクターズ・エディション【Blu-ray】 [ ブラッドリー・クーパー ]

■ヒトコト感想
妻に浮気をされ、心が壊れたパットと、夫に先立たれ自暴自棄で誰とでも寝るようになったティファニー。ふたりが出会うことで、激しく反発し合いながらも、いつのまにか状況は良い方向へと動いていく。心の壊れたふたりが登場し、その周りの人物たちもどこか壊れかけている。突然暴れ出すパットは、いつまでもストーカーのように別れた妻を追いかけ続ける。

接近禁止令がでているにも関わらず近づこうとする。その痛々しさにまわりが引いてしまうほどだ。ティファニーは、誰にでも色目を使うが、心の中ではパットを追い求めている。初期のふたりは、お互いを傷つけあうようなやりとりの応酬で見ていて辛くなる。が、最後の最後にハッピーエンドになるのは心地良い。

■ストーリー

少しイカれたきみが、なぜか希望の光。心が壊れたふたりの出会いと再起を、全世界が応援!爆笑がいつしか大粒の涙に変わる感動作。家も仕事も愛する人も全てを失くしたパットとティファニー。人生を取り戻すため、ダンスコンテストへ出場することになり…。

■感想
心が壊れた者の行動というのは、それ自体はちょっとおかしく見えるが問題はない。ただ、周りが憐れむような視線を送るのが一番見ていて辛い。今回も自分は正常だと言い続けるパットは、いつまでたっても元妻を忘れることができず、何をするにも妻が見ているからと言う。

周りがどれだけ助言しようと、受け入れることはない。パットの親や周辺の者たちは、パットの状況には手出しできない。パットとその父親の関係は歪でありながら、お互いが相手を尊重しているのがよくわかる。父親役のロバート・デニーロの辛そうな表情は秀逸だ。

ティファニーは夫が死んでから自暴自棄となり、誰とでも寝る女へ変貌する。パットと出会い、パットを誘うが断られる。そこでパットに固執し、ふたりの奇妙なつながりができ始める。最初はパットがジョギングする場所に登場し、いつのまにか一緒に走ったりもする。

避けるパット、追いかけるティファニーという形ができあがる。パッと見は魅力的なティファニーだが、突如叫びだしたりと心が壊れた者独特のエキセントリックな雰囲気がある。いつのまにかパットとティファニーはダンスをすることになるのも面白い。

ラストへ向けて、パットの父親が賭けで全財産をかける。その対象の一部にパットたちのダンス大会が入ることに。パットの気持ちとしては、常に元妻がある。ダンス大会の直前に元妻と親しく話をするパットを見てショックを受けるティファニー。

ラストのダンスでどうなるのか…。パットの父親が語るティファニーの思いと、それに答えようとするパットは感動的ですらある。ただ、先行きは不安だ。心の病は、ふたりがくっつくことで回復するのか。それともより悪化するのか。

心の壊れた者同士の恋愛というのは、見ていてハラハラしてしまう。



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