2017.9.3 ダメ人間たちの感動物語 【晴天の霹靂】
青天の霹靂 通常版 DVD/大泉洋[DVD]
評価:3
■ヒトコト感想
売れないマジシャンの晴夫。惨めな生活に嫌気が差していたが…。ある日、雷に打たれ40年前にタイムスリップする。現代では使い古された晴夫のマジックも、40年前では新しい。ユリゲラーが登場する前なので、スプーン曲げで一躍有名になるたぐいの物語かと思ったが…。思いのほか感動路線の物語だ。タイムスリップして若い父親とコンビを組む。
晴夫がタイムスリップし、周りにいる者たちが、実は自分の父親であり母親であると知ってからが強烈だ。そして、父親から聞かされてきた母親が出て行ったという嘘に気づく場面は涙を誘う。原作者の劇団ひとりが晴夫の父親役として登場し、ダメ人間を好演している。予想外に感動できる話だったのでかなり驚いた。原作をちょっと読んでみたい気分になった。
■ストーリー
母に捨てられ、父に先立たれた売れないマジシャン・晴夫。自分の惨めさに人生を諦め掛けていた晴夫は、青天から放たれた雷に打たれ、40年前の浅草にタイプスリップしてしまう。
■感想
惨めな人生をおくる晴夫。売れないマジシャンを続け、覇気のない日々を過ごす。そんな晴夫が雷に打たれ、40年前にタイムスリップする。現在の売れないマジシャンであっても、過去であればそのマジックは新しく新鮮に思われる。そのため、一瞬は脚光をあびる晴夫。
そこから、晴夫がスターダムにのし上がるかと思いきや…。晴夫はそこでもぱっとしない。ここで登場するのが美しい女で、ちょっと晴夫は興味を抱くのだが…。実はその女は晴夫の母親の若い姿だった。
ここから40年前の状況が整理されてくる。晴夫が知り合ったのは自分の若い母親と若い父親だ。ひょんなことから父親とコンビを組んでマジックコントをやることになり、そこそこ評判となる。父親が若いころからダメ人間だということに気づく晴夫。
そして、自分が生まれるであろうことも理解する。過去にタイムスリップした際の、タイムパラドックスは無視するとして、晴夫は自分の運命を変えることができないかと四苦八苦する。そんなときに、妊娠した母親が倒れる。
晴夫は母親がいない理由を父親の浮気で出て行ったと聞かされてきた。しかし実際には…。このあたりが感動ポイントだ。タイムスリップした晴夫は真実を知る。そして、現在に戻ると死んだと思われた父親と再会することになる。
この親子の感動ものは、根本にダメ人間親子というのが重要な要素としてある。愛すべきダメ人間ということなのだろう。過去を変えることができない。未来は変えることができる。タイムスリップした晴夫は、現代に戻ってから何かしら心に変化が起きたことは間違いないだろう。
原作を未読だからこそ、先がどうなるかわからず楽しめたのかもしれない。
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