サンクタム


 2016.7.24      閉所恐怖症の人は見るべからず 【サンクタム】

                     
サンクタム(Blu−ray Disc)

■ヒトコト感想
冒険家フランク率いる冒険隊が前人未到の洞窟を調査する。その途中でアクシデントが起こり、仲間が事故死する。さらには嵐により入口がふさがれ、先の見えない洞窟の奥地へ入り込むしかない。洞窟の奥深くでアクシデントが発生すると、どうにもならない。酸素ボンベを背負い入り組んだ水中を移動し、洞窟を脱出することができるのか。

ジリジリとわいてくる恐怖感がすさまじい。チームを組んで先が不明の洞窟の奥深くへと進む。目の前には水と、人がひとりやっと通れるような狭い隙間しかない。じっくりと進みつつ、経験豊富なフランクのリーダーシップにより前にすすめているかに思えたのだが…。お決まり通りアクシデントが発生し仲間がひとりふたりと減っていくことになる。

■ストーリー

パプア・ニューギニアの熱帯雨林の奥地に存在する、巨大な洞窟体系[エスペトリ・エサーラ]。地球上で最も大きく、最も美しく、最も近づきがたいその場所は、人が足を踏み入れてはいけない聖域(サンクタム)として君臨していた。

そんな洞窟の謎を解き明かそうと、大富豪の実業家カールのスポンサードを受け、経験と判断力を誇る冒険家フランク(リチャード・クロスバーグ)率いる探検隊が、ハイテク装備とダイビングを駆使した調査に挑む。しかし複雑に入り組んだトンネルがどこへ通じているのかをいっこうに解明できず、メンバーは苛立ちを募らせていた。…

■感想
前人未到の洞窟のすさまじい映像はすごいの一言だ。洞窟の奥深くには水が溜まり、潜ることで新たな水路が発見される。閉所恐怖症の人が見たら恐怖に縮み上がるかもしれない。苛酷なダイビングと減圧作業。その結果、事故で仲間が死ぬことになる。

ここから何かアクシデントの香がプンプンしてくる。嵐により入口から戻ることができないとわかると、新たに見つけ出した水路から、どこへ繋がっているかわからないまま進むしかない。序盤ではまだ装備が整っているため、先への希望が見えている。

中盤以降になると、数々のアクシデントで仲間がひとり欠け、ふたり欠けていく。貴重な酸素ボンベを持った者がアクシデントに遭うと、そこから一気に事態は深刻になる。ある者は、水の渦の中に巻き込まれ、ある者はひとつしかない酸素ボンベを持ち逃げ出してしまう。

絶望のどん底に叩き落とされたフランク親子は、それでも微かな希望を胸に前にすすむ。洞窟を抜け出し地上に出れたとしても、そこは穴の底であり、上に上がることができない。となると、別の出口を探すしかない。

暗闇の洞窟の中で狭い穴倉をはい回り、水中をもぐりながらすすむ。ライトの電池が切れれば、瞬く間に暗闇の世界へ逆戻りとなる。狭く暗く息苦しい。画面からにじみ出る恐怖はすさまじい。冒険には危険がつきものとはいえ、強烈すぎる内容だ。

ラストではフランクの息子が少ない酸素ボンベひとつを抱えて、未知の水の中に入り込む。行く先に出口があると決まったわけではないが、前にすすむしかない。この強烈な息苦しさはたまらない。観衆は映像の中の人物と同じく息苦しくなるのは間違いないだろう。

この息苦しさは相当なものだ。



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