サニー 永遠の仲間たち


 2015.7.10      韓国的な青春描写 【サニー 永遠の仲間たち】

                     


■ヒトコト感想

仲良しグループだった女子高生たちが、中年となり再会し友情を取り戻していく物語。韓国の作品のため、韓国の女子高が描かれているが、私服というのと、若干の文化の違いからか最初は違和感があった。全体的に子供っぽく、中学生のように見えてしまう。そんな女子高生たちが成長し、中年となりそれぞれの今を生きる。

裕福な家庭の主婦におさまるナミが主役となり、余命わずかな者のため、昔の仲間を探しだそうとする。人には様々な人生がある。学生時代の状況から大きく変わるのは当然として、家族が崩壊する者、金持ちとなり整形する者。どちらかと言えば不幸な人生のパターンが多いのも特徴かもしれない。高校時代と現在が交互に描かれると、月日が経つのを露骨に感じてしまう

■ストーリー

離ればなれになった仲良しグループ「サニー」の7人が、再び友情と人生の輝きを取り戻していく姿を描いた感動ドラマ。高校時代の友人・チュナと再会した主婦のナミ。余命僅かなチュナのため、ナミは「サニー」の残りのメンバーを捜し始めるが…。

■感想
高校時代というのは光り輝いている。それは「サニー」という不良グループに入ったとしても、仲間との固い絆で楽しい時期を過ごすことができる。友達のお兄さんの知り合いに恋をしたり、敵対する不良グループと対決したり、それぞれが何かしら問題を抱えていたとしても、光り輝く時代ではすべてを光で覆い隠してしまう。

学生時代のはじけるような楽しさを、軽快な音楽とダンスで表現している。多少コメディー色が強いとしても、それはそれで若き日々の充実感を現しているようにすら思えてくる。

月日は流れ、中年となったナミ。高校生の娘を持ち、エリートと結婚したことでセレブな生活を続ける。ここでまず過去と現在のギャップが表現されている。田舎娘で下っ端扱いだったナミが、優雅な主婦となっている。そして、リーダーだったチュナは余命わずかとなる。それぞれが歳をとりおばさんとなる。

高校時代のように同じグループという感覚はない。裕福な者もいれば、不幸のどん底のような者もいる。ナミ以外は、何かしら問題を抱えていたり、不幸な境遇にあるのがポイントかもしれない。現在がみじめなほど、過去が輝いて見えてしまう

整形した者、保険営業で成績が上がらず四苦八苦する者。飲み屋で下働きする者。それぞれ若いころには夢があり、その夢をかなえようとしていた。が、現実は厳しい。過去のキラキラ輝く目をしていた女子高生が、中年のおばさんとなり濁った眼であたりを見回す。

サニーというグループが再会した喜びはあるにせよ、どこか物悲しい雰囲気は拭い去れない。ラストはチュナの葬式で、最後まで行方がわからなかった者との再会となる。中年おばさんたちが、昔のように明るく踊りまくるラストは、見ていると面白くなってくる。

青春の描写が日本と韓国では多少違うのが印象的だ。



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