三国志英傑伝 関羽


 2017.10.8      曹操の器のでかさ 【三国志英傑伝 関羽】

                     
KAN-WOO/関羽 三国志英傑伝 [ チアン・ウェン ]
評価:3

■ヒトコト感想
三国志の関羽を主人公とした作品。関羽が劉備の許嫁を守るため、曹操に囚われの身となる。そこで曹操に恩義を感じながら最後には曹操の元を去るという流れだ。曹操と関羽のエピソードは自分が知っている流れとほぼ同じだ。ただ、関羽のキャラクターが予想よりも人間的というか、怒りや情にかなり左右されている。

関羽が劉備の元に向かう際には、曹操はなんら引きとめることなく行かせようとするが、家臣たちは関羽が敵になることを恐れ、刺客を送り込む。この手の流れが良い。映像的にも関羽の超絶な強さが良く表現されている。イマイチ曹操の俳優が地味なので、曹操の特別感がない。関羽ももう少し髭が長いのでは?と見た目部分での違和感を覚えてしまった。

■ストーリー
赤壁(レッドクリフ)の戦い』の数年前、劉備軍の武将であった関羽は敵である曹操に捕らわれていた。捕虜になりながらも関羽は、『白馬の戦い』で劣勢だった曹操軍の手助けをして勝利を呼び込んだ。曹操は様々な手を尽くし、“義侠心”を重んじる関羽に再三配下に入るよう説得するが、関羽は断固として劉備の元へ戻ることを願う。

曹操は「義侠心」をもって敬意を払い、関羽が5つの関所を通行手形なしで通過できるよう部下に命じた。しかし、彼は関所で曹操の部下である6人の武将に命を狙われることとなる。いったい誰が関羽を殺す命令を出したのか?

■感想
三国志は横山光輝のマンガを読んだのでほぼ内容は知っている。本作のエピソード部分も印象にある。曹操と関羽の関係も、曹操が関羽にべたぼれで、関羽は劉備が見つかればすぐにでも曹操の元を去るという思いでいる。

このあたり、曹操の度量の広さがしっかりと表現されており、関羽の劉備に対する忠誠心も強烈なインパクトを残している。ただ、その中で劉備の許嫁に心を奪われていく関羽というのは、ちょっと意外な流れだ。商業映画として女っ気がないとだめなのか、よけいなエピソードのように思えた。

曹操と袁紹の戦いにおいて、関羽の活躍により曹操が戦局を有利にすすめる。そこから関羽が劉備の元に戻るまでが本作のメインだ。曹操は男らしく、関羽が戻りたいと言えばあっさりと関羽を手放してしまう。

ただ、曹操の重心たちは関羽が劉備の元に戻ると、敵としてやっかいだと判断し途中の関所で関羽を殺そうとする。関羽が関所でひとりひたすら敵と戦い続け、数々の将を倒していく。このエピソードは関羽の圧倒的な強さと曹操の器のでかさを伝えるには良いエピソードだろう。

ラストの流れはやはりマンガでは出てこない流れだ。ひそかに関羽を討とうとする勢力の中には、ある人物もいた。その人物の命令により最後の最後に強烈な攻撃が繰り返され、その結果…。怒り狂う関羽。関羽がそこまで激怒し反抗するというのはイメージにない。

曹操と関羽のどちらともが良いイメージをもつ終わり方なのだろう。三国志好きならば楽しめるのは間違いない。歴史のIFを描いたのではなく、単純にエピソードを描いているので結末が変わるわけではない。

なぜこのエピソードを選んだのかは不明だ。



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