SAFE/セイフ


 2015.9.7      ひとつひとつの攻撃が重い 【SAFE/セイフ】

                     


■ヒトコト感想

ジェイソン・ステイサムの格闘シーンはついつい目が釘付けになってしまう。凄腕刑事だったルークが落ちぶれ自殺しようと考えるまでズタボロになりながら、復活し圧倒的な力を示す。このギャップがすさまじい。八百長格闘家として生計を立てていた男が、ちょっとしたミスからロシアンマフィアに狙われることになる。

この時点でのルークは、マフィアにおびえるしなびたおじさんにしか見えない。ルークに関わる者すべてが殺されていく。ホームレスとなったとしても、少しでも会話をした相手がマフィアに殺される。ルークの落ちぶれた部分と天才少女のパートが交互に描かれ、ふたりが出会った時、大きな変化が待ち受けている。

■ストーリー

ニューヨーク。元市警の特命刑事だったルーク・ライトは、今はマイナーな総合格闘技のファイターにまで落ちぶれていた。八百長試合で誤って相手をKOしてしまった彼は、その試合で大損害を被ったロシアン・マフィアに妻を惨殺されてしまう。すべてを失いホームレスとなったルークは地下鉄のホームで飛び込み自殺をしようと立っていた時、一人のおびえた少女が、妻を殺したロシア人の一団に追われているのを目撃する。

■感想
ルークがロシアンマフィアたちに囲まれ、なすすべもなく殺されそうになるところから、生まれ変わったように暴れまわるルークまで。ひとりの男がこうも変化するか?という衝撃がある。妻を殺され天涯孤独なホームレスとなったルークが、ひとりの怯えた少女と出会い、変わっていく。

少女を守ると誓うと、ルークは圧倒的な力を示し始める。ひとりでロシアンマフィアの巣窟に乗り込み、圧倒的な力で相手をねじ伏せている。ここまでできる実力があるのなら、マフィアに囲まれた時でも、あっさりと脱出できたのでは?と思わずにはいられない。

ルークひとりに中国のマフィアやロシアンマフィアがどれだけ束になってかかろうとも倒すことができない。天才少女の頭の中にある暗号から大金をせしめるために動き出すロシアと中国のマフィア。そして裏金をせしめようとする警察組織。

すべてが悪意に満ちており、相手を出し抜こうとする。ただ、それらの3組織よりもさらに上手をいくのがルークだ。すばらしい駆け引きと、相手を殲滅する容赦ない攻撃。元同僚さえも信用せず騙して利用する。ルークは悪のかっこよさに満ちている。

ルークとまともに戦える人物はひとりしかいない、という意味深な発言をする警察幹部。その人物は結末間近に突然登場してくる。ルークの圧倒的な力は、元同僚たちをも超えており、ひとりの人物しかいないという流れが強調されている。

ひとりの天才少女をめぐる争いは、ルークを超える力を持つ者の存在により、ある程度の決着がつく。そして、最後にはルークと一対一の対決が待っている。ジェイソン・ステイサムの格闘シーンは、ひとつひとつの攻撃に重さがあるようで、迫力がすさまじい。

少女を守るということで、どこかレオンと似たような雰囲気がある。



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